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ケンペ/ベルリンフィルの「新世界」

端正でドイツ風な演奏(戻る


誰が言ったか知らないが3大交響曲のひとつ「新世界交響曲」なのですが、この曲もなかなか好きになれなかった曲でした。 ドヴォルザークの交響曲では今でも第8番の方が断然好きですし、第7番や第5番も面白いと思っていますが、もっと若い頃は(今でも若いと思っていますが)、通俗名曲をけなして、ああだこうだとツウぶって語るのがカッコ良いなんて思っていたのですけれど(その影響もまだあるかしら)・・・ そんなこともあって、あまり聴く機会のない新世界交響曲だったのでしたが、友人から借りた(半分押しつけられるように貸してもらった)このケンペ/ベルリンフィルの演奏を聴いたとたんに目からウロコが落ちました。

端正で剛健、カラヤンが振っている艶のあるベルリン・フィルとは違って角の立ったような響きが魅力的です。 同じEMIに残っているカラヤン/BPOの新世界はインターナショナルな名曲演奏という感じなのですが、こちらはさましくドイツ・ローカル。

けっこう力任せに押すような曲運びかもしれませんが、そこは天下のベルリンフィル。 オケのアンサンブルが巧いので、力で押してもきちんと節度を保たせていますし、そのようにコントロールしているのがまたケンペの特徴でしょう。 コンビチュニー/バンベルグ響のように、何がなんでもグイグイと押してくるようなのとは、同じドイツ・ローカルでもちょっと違う感じですね。

とにかく第1楽章や第4楽章で聴かせる音楽の推進力はとても見事。 また第2楽章の家路のテーマは素朴に扱っていて臭みがありません。 何度聴いても飽きのこない演奏だとも思います。 とにかくこれが僕の新世界交響曲の原点となった演奏です。 あまり有名ではありませんが、新世界交響曲なんて、と思っておられる方にもお勧めしたいCDです。

なお、このCDは中古CD屋の店頭ワゴンにあったバッタもんCD名曲集「クラシカル・エレガンス・シリーズ」(MAC INDUSTRY INC.)の1枚です。
このシリーズ、CDの裏をよく読むと Licensed from EMI. Records Ltd. とか、Disky Communications という文字があり、開封すると Royal Classics 盤が出てきました。 このCD盤では、Royal Classics 盤の番号 ROY-6440 がそのままで、装丁だけ日本でしたのでしょう(いちおうPRINTED IN JAPANの文字ありましたし)。
なおカプリングされていたルイ・フレモー指揮バーミンガム・シティ交響楽団のサン=サーンスの交響曲第3番「オルガン付き」もなかなか聴き応えのある演奏でした。

確か1998年の購入で 780円だったかな?