BQクラシックス My Best Quality Classical Music Site 〜 堅苦しいと思われがちなクラシック音楽を、廉価盤レコード(LP)、CD、アマチュアオーケストラ(ブログ「アマオケ大好き、クラシック大好き」)などで気軽に楽しんでいます。
TOP演奏会感想文廉価LPコンサートホールLP廉価CD資料室掲示板
奈良交響楽団 第37回定期演奏会

意欲的なプログラム、演奏戻る


奈良交響楽団 第37回定期演奏会
2000年5月28日(土) 13:30 奈良県文化会館国際ホール

バーンスタイン:キャンディード序曲
ディーリアス:組曲「フロリダ」
ドヴォルザーク:交響曲第9番 ホ短調 作品95「新世界より」

指揮:辻 俊彦

ディーリアスの曲が聴けるなんて... そんな大きな期待を抱いて出かけた演奏会。 また奈良交響楽団も始めて聴くオーケストラだが、意欲的な取り組みをされていることは耳にしており、そんな期待に期待が重なって出かけた。

会場の奈良県文化会館国際ホールは、1階席のほぼ9割が埋まっていただろうか、大盛況だった。 ちょっと会場に入るのが遅かったこともあり、良さそうな席は既に埋まっていた。 このため、中央前寄りの左側に落ち着いたが、ここで一瞬、右側のもうちょい後にしておけば良かったかな、と思った。 しかし、家族帯同でもあり、ここに落ち着つくことにした(これがそもそもの大きな失敗)。 このホール、座席によって随分と音が違って聞こえるように思う。 そして音がとってもデッド。 端的に言って音が良くない。 このため全体的に響く位置をもう少し真剣に探すべきだった。 せめても、低弦が響くような位置にすべきだった。

キャンディードは、もともと喧騒の曲。 こんな曲だから、オケが一心に演奏しているため、喧騒にも拍車がかかる。 相乗効果、と言いたいところなのだが、音がストレートに飛んでくるせいか、どこかもうひとつ楽しむところまでいかない。 オケのメンバーも張り切っていただけにちょっと残念だった。

さて期待のディーリアス。 ディーリアスは中間音が多く、また各声部とも声高に叫ばないため、アマチュア・オーケストラにとっては過酷な曲であろう。 それを痛感してしまった。 オケは抑制しながらも要所を抑えようと奮闘努力しているのだが、響きが内にこもらない。 またここでもハープの音が直接音でしかも響かない。 これには閉口。 ということもあって曲想になかなかのめり込めなかった。 あとオケ側の問題としては、ホルンがもう少し安定してくれていたら... ということもあるが、何しろこちらの期待が大きすぎたこともあり、自分の中で空回りしてしまっていたように思う。 もうちょっと醒めて聴けていたら...と、反省。

メインの新世界も、そんなメンタルな余波をそのまま引きずって聴いてしまった。 オケはディーリアスから解放されたこともあってか、のびのびと鳴らしているが、それ以上には印象に残らなかった。 誠実な演奏であり、丁寧にやっていることには違いないのだが、ここでももう一つ引き込まれるこころまでには至らなかった。 かえすがえすも、低弦が響く座席であれば、もうちょっと違う印象を持ったように思えて残念であった。 そして何より、演奏を聴く前には、心も頭もカラッぽにしておかないといけないことを痛感した演奏会であった。

次回は、シベリウスの交響曲第5番を始めとするこれまた意欲的なプログラミング。 次回はもう少し早く行って良い席を確保し、(自分にとっての)雪辱戦にしたい。