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グリーン交響楽団 第12回定期演奏会

豪快なチェロとオーケストラによるドヴォルザーク戻る


グリーン交響楽団 第12回定期演奏会
2000年11月25日(土) 18:00 大阪国際交流センター大ホール

ブラームス:大学祝典序曲 作品80
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 作品104
ドヴォルザーク:交響曲第7番 ニ短調 作品70

(アンコール:ドヴォルザーク:スラブ舞曲 第9番)

独奏:長谷川陽子
指揮:十束尚宏

初めて聞くオーケストラと指揮者に初めて入ったホールであった。 おまけにソリストも初めてである。 豪快に元気いっぱい鳴っている、そんな演奏会であった。
大学祝典序曲はいきなり始まった、そんな感じがしたまま小走りに駆け続けたような演奏だった。 低弦の芯がピンと通っているし、木管楽器が綺麗に響き、次第に熱を持ってきたのだが、終始外を向いたような演奏になっていた。 小手調べとしては上出来だったのではないだろうか。
さて期待の長谷川陽子さんによるチェロ協奏曲。 こちらも序奏から力強くやや早めのテンポで進み、ソロも力強く、しかしややささくれ立ったような音で技巧的なパッセージも難なくこなしていくのはさすが。 やや潤いに乏しいかなぁ... と思っていたら弦が切れた。 弦が切れたのを目撃したのは初めて。 どうなることか、と思ったら長谷川さんは全く堂ぜずさっさと引っ込んで弦を持って再登場。 みんなの見ている前で弦を張り替えて、ポンポンと音を確かめてから再スタート。 もっとチューニングしなくていいかな? と思ったけれど演奏中に確認はしていたけど難なく最初からこなしていった。 今度はささくれだったような音はひそめいたが、やはり力強く硬質な響きである。 オケもぴったりと伴奏を付け、オケだけのところになると音量も上がって、こちらも元気いっぱいに鳴る。 ベトついたような感傷的な雰囲気を排除したドヴォルザークのチェロ協奏曲であった。
メインの同じドヴォルザークの交響曲第7番。 こちらもドイツ的な構成感のはっきりした演奏であった。 木管楽器は相変わらず良い音を出しているし、前2曲では多少不安を感じたホルンも奏者が代わり好調、またビオラ・チェロのパートが安定しているので聴き応えのある演奏であった。 特筆したいのはティムパニのリズム感。 ここがしっかりしていると曲の要所が締まって聴いていて楽しくなる。 第3・4楽章で十束さんはルバートをかけたりしてテンポを揺らしていたようだが低弦が安定しているので違和感は感じなかったし、とにかく元気いっぱいな演奏であった。 惜しむらくは元気に音を前に出すだけではなく、各パート感のバランスが聞き取れるような横への配慮、アンサンブルの妙のようなものを聴きたかった。 ポテンシャルの高い団体であるだけにこれらを期待したい。