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吹田市交響楽団 サマーコンサート

夏の恒例行事・楽しく充実した演奏会戻る


吹田市交響楽団 サマーコンサート
2001年8月19日(日) 14:00 吹田市文化会館「メイシアター」大ホール

第1部
R.シュトラウス:「ツァラトゥストラはかく語りき」より
モーツァルト:交響曲第25番より第1楽章
J.ウィリアムス:「スターウォーズ」組曲より、Main Title、The Imperial March、Princess Reia's Theme、Trone Room & End Title
スメタナ:交響詩「我が祖国」より「モルダウ」

指揮:新谷 武
案内人:米山 信

第2部
Let’s Try − あなたも名指揮者!
チャイコフスキー:バレエ曲「白鳥の湖」より「情景」
レハール:「金と銀」より
R.シュトラウス:「ツァラトゥストラはかく語りき」より

案内人:米山 信

第3部
リスト:ハンガリー狂詩曲第2番

アンコール:レハール:「金と銀」

指揮:米山 信

吹響のサマーコンサートを聴かせてもらうのはこれで3回目。 真夏の恒例行事として楽しませてもらっている。 そして今年もまた大いに楽しませてもらったコンサートだった。 昨年は面白いクイズ形式の「いつかどこかで聴いた曲」という趣向で大いに楽しませてもらったが、今年は同じ「いつかどこかで聴いた曲 pert2」というテーマながらもクイズはなく、そのぶん演奏に充分に気合が入り充実した内容であった。 昨年は第1部のクイズで7曲もやったこともあってオケも大変だったようで、なかには充分に練り上げられていない演奏もあったりしたのだが、今年はどの曲もきちんと仕上げられていた。 特に第1部では「スターウォーズ」組曲など大いにノッた演奏で楽しませてもらった。 また、第3部のリストのハンガリー狂詩曲第2番は深い響きながら引きずらないラッサン、軽妙だが軽々しく流さないフリスカ、どの楽器が突出することもなく、アマオケらしくハッタリのない誠実で、とても纏まりのよい音楽を楽しませてくれた。
さて、第1曲目のツァラツゥストラは、会場を暗転させたまま始まった。 おなじみの日の出の部分でステージを明るくする趣向。 冒頭のトランペットが緊張からかややフラついたようにも聞こえたが、これがかえって全体の緊張感・集中力を高めることにも繋がって良かったと感じた。 ソリッドなティムパニ、透明感のあるヴァイオリンなど、大音量の迫力だけで押すのではなく、好感のもてる演奏で今年のサマーコンサートが始まった。 そして曲間の米山さんの解説で、モーツァルト=宇宙人説が飛び出したりもしたが、そのモーツァルトの交響曲の演奏は、やはり宇宙人の作曲した音楽を証明?した感じだったろうか。 よく纏まって誠実に演奏しているのだが、いかんせんそれだけではモーツァルトを楽しむところまではちょっと到達できなかったような感じ。 弦楽器の人数をぐっと絞り込むと音の純度が増すような気もしたが、ここはアマオケ、全員で一緒に演奏するという楽しみもあるのでこの考えは捨てたい。 しかし、けっして誰かが外したとか合っていないとかの問題でなく、単純なだけに難しいモーツァルト演奏というものを痛感した感じである。 プロオケでもこおいったことはよくあることである。 で、これを払拭したのが、スターウォーズ組曲。 第1曲目こそやや堅さを感じたものの、2曲目ではの不吉な響きのヴァイオリンが雰囲気充分。 第3曲目はフルート、オーボエの美しい響きに加えホルンも大健闘で弦楽器も透明感があり爽やかで澄んだ響きに聞きほれた。 そして終曲は力強い行進曲で始まったが、第2ヴァイオリンの一団が身体を揺らせるほどノッていたのが印象的な熱演。 しかし中間部では、雄大でおおらかさを感じさせる弦楽合奏もあって、単に勢いにまかせないところがいつもながら素晴らしい。 最後はまた大団円となって大きな拍手に包まれていた。 これは吹奏楽などでもやっているからか、本当に聴き応えのある見事な演奏だった。 そして第1部最後のモルダウ。 こちらは抑えた感じの落ち着いた演奏だった。 美しい響きのフルートと纏まりのある弦楽器が印象に残った。 刺激的な部分を抑制した感じで、ラストの場面でのトランペットもマイルドに響いていた。
第2部のお馴染み指揮者コーナーもいつもながら面白い。 ただ今年は最後にツァラツゥストラをきちんと振りきった中学生?に驚かされた。 冒頭の部分だけとはいえ、この難曲を振りきったことで、米山さんも「君は超人か?」と聞いていたけれど、オケもこの時ばかりは皆さん奮闘していたのではないだろうか。 毎年いろいろなことがあって、この指揮者コーナーはとても楽しみである。
第3部は、リストのハンガリー狂詩曲第2番を米山さんの指揮で聴く。 さすがに米山さんが指揮するとオケの響きが厚く、ぎゅっと締まった響きになる。 エキゾチックな響きのクラリネットもまた心地よい。 深い響きながら引きずらないラッサン、軽妙だが軽々しく流さないフリスカ、どの楽器が突出するでもなく、かといって消極的でもなく、アマオケらしい一生懸命さを感じさせる誠実で纏まりのよい音楽を心ゆくまで楽しませてくれた。 アンコールは、指揮者コーナーで摘み聴きをした「金と銀」。 オケもようやく開放された雰囲気となり、こちらはリラックスした感じで雰囲気十分な楽しい演奏。 恒例の夏の行事となったサマーコンサート。 来年もまた来よう。 これだけの内容があって無料だから、みなさんもどうですか?