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大阪シンフォニカー交響楽団 第2回ファン感謝祭コンサート

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大阪シンフォニカー交響楽団 第2回ファン感謝祭コンサート
2002年4月11日(木) 18:30 いずみホール

第1部:三大交響曲その1:ドヴォルザーク 交響曲第9番「新世界より」第2楽章(指揮:曽我大介)
第2部:今年の定期演奏会で大活躍!!:モンティ チャールダッシュ(Vn:森下幸路、指揮:船橋洋介)、ララ グラナダ(MS:三矢直生、指揮:松沼俊彦)
第3部:オーケストラを指揮してみよう!! 指揮者体験コーナー
第4部:いずみホール定期演奏会 ソリスト紹介(Fl:末原諭宜、Ob:新本由美子、Cl:村瀬 司、Fg:藤崎俊久、Hr:五味渕友敬)
第5部:オーケストラの屋台骨 コントラバスとテューバを徹底解剖!?
第6部:ハンマープライス 大阪シンフォニカー交響楽団ゆかりのレア・グッズオークション
第7部:オーケストラと一緒に演奏しよう! L.モーツァルト おもちゃの交響曲(フィナーレ)
第8部:ご協賛会社提供の記念品大抽選会
第9部:三大交響曲その2:シューベルト 交響曲第8番「未完成」第1楽章(指揮:牧村邦彦)、ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」第1楽章(指揮:曽我大介)

昨年はちょっととりとめなくなりがちだったファン感謝祭コンサートだが、今年は盛り沢山な内容をタイトにまとめ、メリハリもあって楽しい催しになっていた。 これもひとえに喋る芸術監督曽我さんのリードによるものだろう。 なかなかできないことだと思う。
さてざっと振りかえってみたい。 第1部の新世界交響曲は、どっしりと構えた演奏でありながら細部を緻密に纏めていたのが印象に残った。 しみじみとしたコールアングレのメロディを聴いていると学校の下校を思いだし、コンサートが始まっていきなり下校気分になって苦笑した(フィナーレと入替えたほうがよかったのでは)。 第2部は森下さんの深い響きと変幻自在のヴァイオリンが素敵、ただオケは元気はあったがもうちょっと軽いノリにして欲しかった。 また三矢さんは宝塚らしい衣裳で登場、このあと第6部でも気さくな面を見せて楽しませてくれた。 グラナダはちょっと声量が少ないのが気になったのとオケともども真面目すぎてリズムが堅いのが残念だった。 第4部は文句無くいずみホール定期を期待させるアンサンブルをきかせてくれた。 ハイドンの野外組曲の第1・2楽章(2楽章はブラームスのハイドン・ヴァリエーションの主題)での緊密でりながらもそれぞれが暖かい音色アンサンブルが素晴らしかった。 またベートーヴェンの運命をモチーフに途中ジャズフレーバーも効かせたアンサンブルも面白かった。 第5部は、曽我さんもコントラバスを持って出てきてコントラバス4重奏曲。 こちらはヨハン・シュトラウスをモチーフに7曲のメドレーだったが、どこかのどかでまた珍妙に聞える部分もあって面白い内容だった。 テューバは潮見さんの一人舞台といった感じ。 先日のセンチュリー交響楽団でもエキストラ参加されていたが、その実力のほどをひげダンスやぞうさんで軽くいなしてくれたあたり好印象を持った。 第6部のオークションは昨年は間延びしていたが今年は楽しくかつすっきりとまとめていた。 この程度のオークションで得られる金額よりもオーケストラを皆で支えているという一体感が出れば良い企画なのだろう。 第7部は女子高生にそれぞれ奏者が先生となってついていたが、この先生ぶりが皆あたたかで楽しそうで微笑ましかった。 指で拍をとって指示を出す姿がそれぞれに各奏者の方の人間味がよく出ていたように思う。 このあたり、まさに聴くものも演奏するものも楽しい音楽を…といったところなのだろう。 第9部は覆面指揮者として登場した牧村さんによる未完成がじつに素晴らしい内容だった。 ちょっと早めに感じたのだがスケールの大きさを感じさせる演奏で、再現部で主題がもどってきたあたり、ぐっと耳を奪われてしまったほど充実した響きで、好調牧村さんを強く印象付けた演奏だった。 フィナーレの運命もまた快速でメリハリのある演奏だった。 いわゆる現代風な感じだが、曲が曲だけに練習での弾き込みが足りないせいかいまひとつぐっと迫るものを感じずにソリッドに締まったコーダとなって、楽しい演奏会の幕を閉じた。 個人的にはもっと曲を聴きたいのだが、会場の皆さんはいずれもいわゆるえびす顔となって会場を後にされていた。 年に一度のこのような楽しい催しで大阪シンフォニカーだけでなくクラシック音楽全体のファンが増えることを期待したい。