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第14回 グリーンコンサート

親しみのある催し戻る


第14回 グリーンコンサート
2002年4月14日(日) 14:30 森ノ宮ピロティホール

第1部:グリーンブラスオルケスタ 「音楽世界の旅」
 アフリカン・シンフォニー、サンバ・ブラジル(指揮:岡本悦夫)
 80日間世界一周、アメリカンパトロール、ペールギュント「モーニング」、ペルシャの市場ほか(指揮:秦 和夫)
第2部:阪急東宝グループ男性合唱団「ロシア民謡」
 ヴォルガの舟歌、12人の盗賊、カチューシャ、コサックの子守唄、カリンカ(指揮:阿部和子)
第3部:グリーン交響楽団「禿山の魔法使いカルメンの一夜!?」
 ムソルグスキー:交響詩「禿山の一夜」
 ビゼー:「カルメン」組曲
 デュカス:交響詩「魔法使いの弟子」(以上、指揮:船曳圭一郎)

旧三和銀行(現UFJ銀行)などを中心とする「みどり会」によるメンバー会社の相互交流と親睦をはかるためのコンサートの招待状をいただいたので行ってきた。 ブラス・オーケストラによる勇壮で迫力ある演奏、素朴で暖かい男性合唱によるロシア民謡、最後はグリーン交響楽団によるすっきりとよく締まった演奏で、それぞれに楽しめる内容のコンサートだった。 そして最後は日常の嫌なことを吹き飛ばそうと、客席も含めた全員での「明日があるさ」の合唱で散会。 いつもは参加しないこのようなことにもしっかり参加(自分なりに)して会場を後にした。 小さな子どもが時折奇声をあげても睦まじい雰囲気となる楽しい催しだった。
グリーンブラスオルケスタは、グループ6社の吹奏楽団が一体となった総勢100名からなる団体で、冒頭のアフリカン・シンフォニーとサンバ・ブラジルの迫力とノリの良さは、日頃聴いているオーケストラとは全く違うもので、威圧というと悪い意味にとられるかもしれないが、迫り来るような迫力に圧倒された。 世界音楽の旅はアラスカ(アメリカ)、モスクワ、フィンランド、ドイツ、ロンドン、パリ、イアタリ、ペルシャ、ちょっと寄り道した中国から日本に戻ってくるコース。 それぞれの曲を聴きながら、生で聴くブラスの面白さを堪能させてもらった。 男性合唱団は、別名・大阪梅田のおっさんコーラスとのことだが諸般の事情により来週で解散とのこと。 そのため今回は合唱の原点であるロシア民謡をとりあげたとのこと。 いずれも素朴で暖かく、そしてちょっと泥くささも感じるコーラスだった。 中でもカチューシャのリズム感の良さと味わいの深さが光っていたように思う。 最近パルナスの歌を聴いているせいもあってロシア民謡の男性合唱はとても懐かしく、最後の参加でもありしみじみと聴かせてもらった。
休憩を挟んでグリーン交響楽団の演奏は、全般的にメリハリの効いた誠実な演奏だったと思う。 裏をかえと、もうちょっとおどろおどろしさがあってもよかったのではないかと思うが、まぁコンサートの趣旨(親睦など)からするときちんとした熱演で華を添えていた。 禿山の一夜はちょっとすっきりしすぎかなと思ったけれど後半にずいぶんと熱くなってきたようだ。 鐘が鳴って朝になったときちょっと弦と管楽器に隙間も感じたような気もしたが全体としてはメリハリのある演奏だった。 カルメン組曲も威勢のよい前奏曲から各曲によく雰囲気を出していたと思う。 ただ後半になるにつれてリズムがちょっと単調になってきたような気もしたが、最後は元気に締めて終わった。 各ソロやパートはしっかり演奏して熱演のように思うのだけれど、全体として纏めてみるとちょっと退屈・・・ これは指揮者の問題かもしれない。 魔法使いの弟子はなかなか実演ではかからない曲ではないだろうか、これを楽しみに来たようなもの。 演奏は場面転換が見事で迫力もあった。 しかしここでもちょっとリズムが堅く、洪水の場面などもうちょっとうねり感もほしいように思ったのだけどこれは贅沢というものだろう。 とても抑制のよく効いた演奏で、難しいオーケストレーションを熱く演じきっていた。
部外者として聴かせてもらったが、内心危惧していた身内だけの学芸会的な甘えなどなく、どこのどれをとってもきちんとした演奏で充実した内容でとても楽しめたコンサートだった。