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吹田市交響楽団 サマーコンサート 2004

夏の恒例行事に満足・満腹戻る


吹田市交響楽団 サマーコンサート 2004
2004年8月29日(日) 14:00  吹田市文化会館「メイシアター」大ホール

第1部  
ワーグナー: 歌劇「ローエングリン」より
   第三幕の前奏曲
   エルザの大聖堂への行進
H.ショア: 映画「ロード・オブ・ザ・リング」より
(Arr. John Whitney &  第2部「二つの塔」より

Jerry Brubaker)

 第1部「旅の仲間」より
 

指揮:米山 信

第2部  
Let’s Try − あなたも名指揮者
ブラームス: ハンガリア舞曲第5番(Aパタン、Bパタン)
ロッシーニ: 歌劇「セヴィリアの理髪師」序曲
 

案内:米山 信

第3部  
ホルスト: 組曲「惑星」より
   火星:戦争をもたらすもの
   木星:喜悦をもたらすもの
 

指揮:新谷 武

(アンコール)  天王星:魔術師
 

指揮:新谷 武


今年で伺わせてもらって6年目。 例年のように有名名曲をたくさん演奏するサマーコンサートも楽しくて良いのですけど、今回のように日頃採り上げ難い大曲を一部分とはいえ演奏するのもまた良いものですね。 とにかくどの曲もとても充実した演奏内容に満足(満腹)しました。
今年は大曲が並んでいます。 ワーグナー2曲と映画「ロード・オブ・ザ・リング」の音楽、指揮者コーナのあとはホルストの「惑星」から2曲。 どちらかいうと簡素なプログラミングですね。
今回、映画「ロード・オブ・ザ・リング」の音楽は初めて聴きました。 映画も観ていないんですけど、壮大なスケールを感じさせた演奏内容に唸りました。 映画も観たほうがいいよなぁ、なんて素直に思いました。 そのような前半は米山さんによる指揮でした。 米山さんはいつもどおり淡々とした感じの進め方なのですけど、スケールの大きさを音の大きさではなく、響きの豊かさとか密度によって演出しています。 最初こそ管楽器がやや乱れ気味ではありましたけど、すぐに挽回。 今回もまた2階席で聴いていましたけど、豊穣なオケの響きが下のステージからまるで湧き上がってくるように聴こえてきました。 とにかく各楽器の響きには抑制のよく効いた安心感があります。 これは各パートが充実しているからでしょう。 そんな楽器の響きが溶け合いながら舞い上がってくるんです。 テーマ「伝説と神話」に相応しく、深みを感じさせる落ち着いた音楽をたっぷりと味わせてもらいました。
第3部の新谷さんによる「惑星」。 こちらはもう若さが爆発したような演奏でした。 最強音ではホールが飽和していたのではないでしょうか。 実演で「惑星」を聴いたのはこれが始めてじゃないかしら。 アマオケでは滅多にかからない曲のように思いますけどどうでしょうか。 指揮者もオケも、気迫というかな、この曲・この演奏にかける意気込みのようなものがビンビンと伝わってくる大変な熱演でした。 なかでもホルンの斉奏の力強さ、トランペットの艶ののった響き、いずれも素晴らしかったなぁ。 そしてこれら総ての楽器の響きが呼応しあい、合奏するのだからもう聴き応えは満点です。 なおアンコールでは打楽器が大活躍。 ティムパニは千手観音のような早業が冴えていました。 もう満腹ですわ。
いやぁ今年は音楽の品数は少なかったけど、ボリューム満点の音楽をお腹がいっぱいいただいた気分でした。 ごちそうさまでした。 来年もまた楽しみです。


簡単に演奏会をふりかえってみたいと思います。

毎年楽しみにしている吹響のサマーコンサート。 今年は台風の影響が心配されましたけど、結果的にまったく影響無し。 それでも雲行きを確かめ、折畳みの傘を1本持って、長男と二人で出かけました。
この長男、夏休みの宿題を遣り残してて、本当は演奏会どころではないのですけどね。 電車の中で日記の宿題をするってことで付いてきました。 というか、母親から渋々送り出されたんです。 本当は一家4人で行くはずでしたけど、長女は抱えきれないほどの宿題のために出掛ける事など出来ず、その付き添いとして母親も家に残りました。 一番行きたがっていたのは、実はその母親だったんですけどね・・・宿題残すなんて、ホント困ったものです。

そんなドタバタがあってホールに10分前に到着。 いつもながらギリギリです。 いつもの2階席に向いましたけど、中央通路後ろのいつもの席は埋まってました。 ぐるっと見渡し、舞台に向かって右側奥のブロックに陣取ることに。 このブロック、長男と僕の2人で占拠しちゃいました。 このサマーコンアートを毎年楽しみにしているし、このような無料コンサートがあることは皆さんにもっと知って欲しい気持ちはあるのですけど、このゆったり感を味わってしまうと、なんかジレンマを感じずにはいられませんね。 それでも1階席には6割ほど入っていたでしょうか。 毎年少しづつお客さんは増えているようです。 この時期の演奏会って少ないし、無料だからもうちょっと人が入ってもいいと思うのですけどねぇ・・・ま、宿題が山のように残っている人ばかりかな・・・な〜んて。

さて開演時間になりました。 第1部はワーグナーの歌劇「ローエングリン」からまず2曲。
 米山さんの指揮される音楽は、いつもどおりの省エネ指揮法で淡々とした感じなのですけど、とても充実した演奏になっています。 今回も音楽のスケールの大きさを音の大きさではなく、響きの豊かさとか密度といったもので演出していました。 衒うことのない落ち着いたワーグナーで、聴き応えのある確かな音楽に満足しました。

その1曲目は「第三幕の前奏曲」。 豊かな弦楽器の響きから始まりました。 いい感じです。 ホルンの斉奏は見事でしたけど、このあと管楽器がやや不安定に響く部分はありました。 でもいずれもすぐに挽回。 ゆったりと大きな演奏は動じません。 2階席の隅で聞いているからでしょうか、音楽が下から湧き上がってくるような感じなのがとてもよかったです。

2曲目は「エルザの大聖堂への行進」。 木管アンサンブルがしっとりと溶け合っていて見事でした。 コールアングレの郷愁を誘うような響きがよかったな。 もちろんフルート、クラリネット、オーボエも落ち着いていました。 しとやかな弦楽器が加わり、ホルン、トロンボーンも入ってきてじわじわっと音楽が拡大します。 クライマックスへの持ってゆきかた、とても自然な盛り上がりで壮麗に結婚式の音楽でしょうか。 こちらも豊穣なオケの響きが下のステージからまるで湧き上がってくるように聴こえた素晴らしいアンサンブルでした。

第1部の最後は映画「ロード・オブ・ザ・リング」の音楽。
映画を観ていないので、音楽も聴いたことがありません。 でも壮大なスケールを感じさせた演奏内容に唸りました。 映画も観たほうがいいよなぁ、なんて素直に思いました。

音楽はまず第2部から演奏されて、厳かな雰囲気から始まりました。 抑制のよく効いた打楽器群を始め、演奏に落ち着きを感じます。 金管楽器もまた抑制されていて、何かが誇張されることのない充実した音楽に聴き入りました。 メドレー2曲目(?)、神秘的なオーボエが素適でした。 そして密やかな感じのする弦楽器、電子オルガンで低い音を出していたでしょうか。 ここでも演奏で浮ついたところなど皆無。 今年のサマーコンサートは音楽がとても充実しているな、と感じました。 メドレー3曲目(?)、壮大な音楽です。 銅鑼が鳴るからそう思うのかもしれませんけど、この銅鑼の響きが深深としてて落ち着いています。 トランペットが神の啓示のように響いたあと、テーマが戻ってきて一気に盛り上り。 クライマックスをぐわっと盛り上げたかと思ったら、鷲掴みのようなエンディング。 見事な終結。 しかし、あまりの急激な終わり方に呆気にとられたせいか拍手が少なかったのが残念だったかも。

続いて第1部の音楽です。 こちらは明るく勇壮な感じで始まりました。 トランペットの輝かしい響きで盛り上がったかと思ったら、スパっと切って神秘の世界に。 ファゴットの響きに、木魚でしょうか、まるでお伽の世界みたい。 更にフィドル風のヴァイオリン・ソロも出てきてファンタジーな気分が一層強くなりました。 メドレー2曲目(?)、雄大なメロディが弦楽器から流れ、それが管楽器に移りますと、今度はフルートを始めとしておどけた感じ。 そんなのが散りばめながら曲が進むのですけど、はっきり言って巧い演奏ですね。 上品なんです。 音楽をきちんと纏めて届けてくださっている感じ。 勢いで音楽を運ぶってことがありません。 手堅いんだけども、退屈するなんてことなく、聴き応えに結びついています。 メドレー3曲目(?)、中低弦に厚みが感じられました。 艶のあるトランペットの後ろではトロンボーンが後ろに回り込んで支えてもいます。 ゆったりとした歩みにしっとりとしたヴァイオリン。 そしてテーマが戻ってきたあとは勇壮なエンディングとなって全体を締めました。
どこをとってもしっかりとした聴き応えのある音楽。 こんな音楽に出会えて得した気分になりました。 満足しました。

休憩をはさんで第2部の指揮者コーナー。
今年も年代性別を違えて募集しましたけど、結果的に6人もの人が挑戦。 お題にはロッシーニのセヴィリアの理髪師序曲もありましたけど、お馴染みでないせいか、皆さんブラームスのハンガリー舞曲第5番に挑戦しました。 しかもほとんどがインテンポのAパタンでしたけど、唯一成人男子代表者がBパタンでの抑揚をたっぷりつけた演奏に会場・オケからも大ウケでした。 その他の人たちの事は略しますけど、崩壊寸前にまでテンポが落ちたり、エンディングが揃わなかったりと、見ているとオケって生き物ということがよく分かりますね。
ところでこれが始まる前、長男に「指揮しろよ」と言っていたんですけど、案の定尻込みして手を上げなかった長男。 でも皆さんの指揮を見ながら、自分ではどうするのか手を動かしてました。 またこの後の「惑星」の演奏でも手を動かしてまして、指揮者にとても興味持ったようです。 これは来年が楽しみ・・・かな。 
ちなみにそうやって何年もかかって勇気をふりしぼって出てくる人もいる指揮者コーナー、本当に楽しみにしています。

メンバー交代があり(というか追加ですね)いよいよ第3部はホルストの「惑星」です。 実演で「惑星」を聴いたのはこれが始めてじゃないかしら。 アマオケでは滅多にかからない曲のように思いますけどどうでしょうか。
演奏はもう若さが爆発したような感じ。 最強音ではホールが飽和していたのではないでしょうか。 とにかく指揮者もオケも、気迫というかな、この曲・この演奏にかける意気込みのようなものがビンビンと伝わってくるような大変な熱演でした。 なかでもホルンの斉奏の力強さ、トランペットの艶ののった響き、いずれも素晴らしかったなぁ。 とにかく聴き応えは満点でした。 アンコールでは天王星でしょうか(よく聞き取れませんでした)。 打楽器が大活躍。 なかでもティムパニは千手観音のような早業が冴えていました。 とにかくカッコ良かった。 この曲、実演だと結構燃えますね。 いい経験になりました。

さて1曲目の「火星」。 コントラバスの弓を打ち付ける気合の入った開始から迫力ありました。 これが一気に盛り上がり、というか燃え上がりました。 ホールが響きで飽和したかに思えるほど。 鋭い音楽の立ち上がりに吃驚しました。 トランペット5本に、トロンボーンも5本、ホルン6本、テナーチューバとチューバのブラス部隊がよく纏まっています。 テナーチューバ、ちょっと惜しかったですけど態勢に影響はありません。 ティムパニは2組と、その他多くの打楽器がありましたけど、いずれも抑制を効かせた好演に終始。 総力戦での音楽となったエンディングもすごい迫力で締めくくりました。
指揮者の新谷さん、スコアをめくって次の準備をしていましたけど、熱演への拍手が続くため、振り返ってお辞儀してその場を収めました。

続いて2曲目の「木星」。 勇壮な音楽で、ホルンの斉奏がカッコ良かったですね。 壮麗な音楽という感じ。 弦楽器はたっぷりとしてて雄大な感じがします。 またここでも打楽器は抑えて全体をしっかりと支えてますので安定感があります。 新谷さん、火星でもそうでしたけど、大きなアクションから音楽を引き出していて、ここでも打点を明確にしてメリハリをつけたり、またたっぷりと歌わせていました。 曲の魅力を存分に引き出そうという感じでしょうか。 オケもまたその指揮によく応えてて、もう総力戦でこの惑星の演奏にかけているいるような感じがビンビンと伝わってきました。 クライマックスの盛り上がりも壮麗で、ホルンに続くトランペットが艶やかな響きで呼応。 全体が華やかな音楽となって展開されて終わりました。 大変な熱演に、大きな拍手が沸き起こっていました。

さらにアンコールは天王星だったでしょうか(よく聞き取れませんでした)。 ここでは打楽器が大活躍。 これまでしっかりと抑えに回っていた感じでしたけど、要所のティムパニが千手観音のような早業で冴えました。 ほんと手がたくさん見えたみたいでカッコ良かった。
いやぁ今年は音楽の品数は少なかったけれど、どれもボリューム満点の音楽ばかり。 もう最後にはお腹がいっぱいいただいた気分でした。 
どうもごちそうさまでした。 来年はどんな音楽に出会えるのか楽しみです。