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アンサンブル・コスモリバティ 第19回定期演奏会

音楽の向こう側にあるもの戻る


アンサンブル・コスモリバティ 第19回定期演奏会
2009年6月7日(日) 14:00 高槻現代劇場・中ホール

ドヴォルザーク: 弦楽セレナーデ ホ長調 op.22
早川正昭: バロック風日本の四季より「冬」
ベートーヴェン: ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 op.19
モーツァルト: 交響曲第25番 ト短調 K.183

(アンコール)シベリウス: 悲しきワルツ

独奏: 活田真理(p)

指揮: 木村俊明


早川正昭作曲による「バロック風日本の四季」、ついに「冬」で全曲を聴けて幸せでした。 いつもながらの暖かなアンサンブル、第2楽章のチェロのソロ、ペチカの泣かせる旋律に母の暖かさを感じました。 昨春からの単身赴任に加え、今年2月半ばからの過酷な業務により、今年は聴けないのではないか、そんな懸念もありましたけれども、色々なことを忘れ、一心に音楽を楽しませていただきました。

休憩を挟んでのベートーヴェンのピアノ協奏曲第2番。 しっとりとして太い筆で描くようなアンサンブルと、活田真理さんの柔らかなタッチと深い響き。 ちゃんと芯もあって、このオケの響きとよくマッチしていましたね。 オケとの呼吸も良く、これは木村さんの指揮によるところでしょう。 いつも良い部分を見事に引き出してくださいます。

続くモーツァルトの交響曲第25番も、やや生真面目に鳴るこのオケにぴったりの選曲だったのではないでしょうか。 高音弦・中音弦・低音源がしっかりと鳴っていました。 真摯に響く弦の響きに管楽器が凜と絡まっていて、フィナーレには熱気も感じられ、満足しました。

冒頭のドヴォルザークの弦楽セレナーデこそ、慎重に進めているものの、なかなか音程が揃わずに苦戦していたようです。 でも指揮者の木村さん、つねに笑顔で大きく振ってのリード。 皆さん、一所懸命に演奏されていました。 人生の諸先輩方のひたむきな演奏する姿、これを見、聞き進んでゆくうち、音楽を演奏することは音楽を単に再生することではなく、演奏を通じて、この音楽の向こう側を感じさせることではないかと、今更ながら気付いたしだいです。

今年も得るものが多くあった演奏会でした。 ありがとうございました。