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枚方フィルハーモニー管弦楽団 第70回記念定期演奏会

力強い演奏に新しい枚方フィルを見た!聴いた!戻る


枚方フィルハーモニー管弦楽団 第70回記念定期演奏会
2009年10月18日(日) 14:00 枚方市民会館・大ホール

ワーグナー: 歌劇「リエンツィ」序曲(*)
ベートーヴェン: 交響曲第9番ニ短調「合唱」作品125

独唱:南川 恵(S)、田中理未(A)、土田景介(T)、和田一人(B)

合唱:枚方フィルハーモニー第九合唱団

指揮:寺坂隆夫(*)、谷村 浩


初めて聴いたときの枚方フィルは、恣意的なところのまったくない好感の持てる演奏、そんな印象でしたが、今回はそこに力強さや意欲も感じられ、新しい枚方フィルを見た!聴いた!そんな印象を強く持ちました。

まずは寺坂さんの指揮による「リエンツィ」序曲。
丁寧に響きを重ねてとピークを形成してゆく音楽は、地域に根ざし、地道に活動を続けているこのオケを現しているかのようですね。 スネアが切り込んで、重低音のブラス、クライマックも落着いて進めます。 そして行進曲、念を押すように進んでゆく中に、華やかさも感じました。 その華やかさが咲き開いてスピードを上げての大団円。 おおっ!と惹き込まれました。 このオケのこれからを感じさせる演奏でしたね。

20分の休憩のあと、いよいよ第九。
指揮は谷村さん。 生島さんが指揮を引退されたあとを引き継がれて1年半、第九という曲が醸し出す雰囲気もあるのでしょうが、いつものよそいきではない音楽の中にも、力強さや意欲をも感じさせた演奏に大きな拍手を贈りました。

第1楽章、やや早めのテンポだったでしょうか、音を廻していったあとの集中力のある力強い響きが確信に満ちていました。 これはいい演奏になると直感したとおり、地に足のついた響きが届きます。 谷村さん、歌わせるところと力をこめるところをしっかりと描きわけるようにしてオケを進め、オケも見事にこれに応えていました。 終結部は力強くまとめあげました。

第2楽章、鋭い響きでスタート。 打点を明確にして盛り上げてゆきます。 木管のアンサンブルを断ち切るティムパニもストイックでよかったな。 言い方は良くありませんが、決して鳴り良いオケではないのですけれど、谷村さんがこれを見事にドライブし、ふつふつと湧き出る気迫を感じました。

第3楽章、木管の柔らかな響きに、弦楽器も溜息をつくかのよう、素晴らしい時間が流れてゆきました。 クラリネットの響きが歌っていてとても素晴らしいけれども、第2ヴァイオリンやヴィオラなどの内声部も落着いた響きで支えているし、トランペットが充分なインパクトを持って割り込んできても、前後のつながりがしっかりとしているから歌が切れません。 全員が丁寧な音楽造りに徹していたからでしょうね。 終始、前に乗り出すようにして聴いていました。

終楽章、コンパクトに振る谷村さんを中心に、オーケストラと合唱、独唱が渾然一体となって醸し出される高揚感に飲み込まれてしまいました。 細かなことはあまり覚えていません。 打点を明確にした音楽に、スケール感も備わって、熱く歌い上げられたってことで充分ではないでしょうか。

2002年5月、ネットで調べて初めて訪れた枚方フィル。 そのときは第55回定期演奏会でしたが、それからでも7年、15回の演奏会を重ねてこられ、今回の第70回記念定期演奏会に立ち会うことができました。 調べてみたら、自分にとっても、このオケを聞いて10回目となる節目の演奏会だったのですね。 いつも変わらない真のアマオケらしい誠実な演奏がとても気に入っています。 今後のますますの発展を期待しています。
素晴らしい演奏をありがとうございました。