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オーケストラ・アンサンブル金沢 NEW YEAR CONCERT 2010

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オーケストラ・アンサンブル金沢 NEW YEAR CONCERT 2010
2010年1月12日(火) 19:00 紀尾井ホール

メンデルスゾーン: 八重奏曲変ホ長調 op.20(弦楽オーケストラ版)
ジーツィンスキー: 「ウィーン、わが夢の街」(*1*2)
J.シュトラウスU: オペレッタ「こうもり」序曲
シュトルツ: 「プラター公園は花ざかり」(*1)
J.シュトラウスU: オペレッタ「ヴェネツィアの一夜」から「心から挨拶を贈ろう」(*2)
ヨハン&ジョゼフ・シュトラウス: 「ピチカート・ポルカ」
J.シュトラウスU: オペレッタ「こうもり」から「ブドウの炎の流れに(シャンパンの歌)」(*1*2)
J.シュトラウスU: 「チクタク・ポルカ」
J.シュトラウスU: オペレッタ「ヴェネツィアの一夜」から「アンネン・ポルカ」
レハール: オペレッタ「ほほえみの国」から「君はわが心のすべて」(*2)
レハール: オペレッタ「ジュディッタ」から「私の唇にあなたは熱いキスをした」(*1)
カールマン: オペラ「チャールダッシュの女王」から「踊りたい!」(*1*2)

(アンコール)J.シュトラウスU: 「美しく青きドナウ」
(アンコール)失念(レハール: 「メリー・ウィドウ」より??)
(アンコール)J.シュトラウスU: 「シャンパンの歌」

独唱: メラニー・ホリディ(S)、ズリンコ・ソチョ(T)

リーダー&ヴァイオリン: マイケル・ダウス

案内役・指揮: 井上道義


久しぶりに見たメラニー・ホリディさん、いつまでもお美しくて芸達者、またお相手のズリンコ・ソチョさんは始めてですが堂々とした美声を聞かせていただきました。 OEKの演奏も響きの隙間を作ず、個人がソリストにならず、全体が一つの楽器のようになっていて、華やかなニューイヤーコンサートでした。

今年のOEKのニューイヤー・コンサートは全国6箇所を巡演、この日は5回目ですが、このプログラムでは千秋楽のようです。 他の会場ではどうだったか分かりませんが、井上さんが案内役ということで、前半のメンデルスゾーンの八重奏曲ではダウスさんの弾き振りによる演奏。 OEKらしい緻密かつ濃厚な演奏で、第1楽章こそ少々硬さが感じられたのの、終楽章の熱気には参りました。 指揮なしでこれだけ纏まった演奏はチームワークの良さの現われ以外ないですね。

生誕200年だったメンデルスゾーンの音楽で前半の2009年に別れを告げ、後半は2010年、新年をウィンナワルツで迎える構成なのですね。 井上さんが郷愁の籠もる「ウィーン、わが夢の街」を振り始めると、左右よりメラニーさんとズリンコさんが登場。

メラニーさん、いつまでもお美しいですね。 10年ほど前にメリー・ウィドウを見たとき以来でしょうか。 驚いたのは、背中から二の腕にかけて、筋肉が浮き上がって見える・・というか無駄な贅肉がついてない、と言ったほうが良いでしょうか。 そんなところに年齢は感じましたが・・・。 また声量に少々衰えはあるのかもしれませんが、演技と歌の聴かせどころはしっかり掴んでいて芸達者ぶりを楽しませてもらいました。

お相手のズリンコさん、年齢は分かりませんが、1980年にデビューされているので、50歳はいっていると思います。 しかし、いまだ好青年の雰囲気を持たれていて、また声量のある美声が素晴らしかったですね。 そして、堂々としているけれど、嫌味の感じられないおだやかな笑顔も素敵。 「君はわが心のすべて」の声のコントロールもまた見事、盛大な拍手が贈られていました。

演奏についていちいち挙げることもないと思います。 少々飛ばしすぎかな、と思える場面もありましたが、それもニューイヤーコンサートは楽しければいいね、といった感じの演出でしょう。 しかしOEKの演奏は響きの隙間を作ず、個人がソリストにならず、つねに全体が一つの楽器のようになっていて、さすがに巧いオケですね。 あとは少々音楽を楽しむ姿勢みたいなもの感じられるともっと良いのだけれど・・・とは、無いものねだりかもしれませんね。