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豊中市民管弦楽団 第46回定期演奏会

丹念に仕上げられた演奏戻る


豊中市民管弦楽団 第46回定期演奏会
2012年6月17日(日) 14:00開演 伊丹市文化会館いたみホール

ヴォーン=ウイリアムス(ジェイコブ編):イギリス民謡組曲
ハイドン:交響曲第104番ニ長調 「ロンドン」
ドヴォルザーク:交響曲第8番ト長調 Op.88
(アンコール)エルガー:「威風堂々」第1番

指揮:谷野里香


谷野里香さんの指導のもと活動を続けられている豊中市民管、ここも2008年11月23日の第39回定期演奏会以来の鑑賞となりました。 4年間のブランクを感じさせず、谷野さんの意図が行き渡り、丹念に仕上げられた演奏会でした。 ドヴォルザークの交響曲第8番は、迫力ある演奏でしたね。 印象にあった谷野さんの指揮は、丁寧で穏健な感じだったのですが、なかなかに大音量で突き抜けた演奏に驚きもしました。

そのドヴォルザーク、ボヘミア調の風景ではなくインターナショナルな感覚で明るく張りのある音でした。 トランペットがそれまでのロータリーではなくピストンで、突き抜けてくるのが象徴的。 中低音弦のメロディになる第1・4楽章では、極端に速度を落としてはいるものの、叙情的ではなかったですね。 ストレートな感じ。 もっとも第4楽章では止まりそうなほどの速度に少々驚きましたけれど。 巧い演奏だったと思いますが、個人的にはもうちょっと響きがブレンドされていたほうが好きでした(偉そうにすみません)。

響きがブレンドされていたのは、冒頭のRVWの「イギリス民謡組曲」。 活気もあるふくよかな弦楽アンサンブルに金管も巧く絡んでました。 暖かなクラリネットやフルートの響きに、トロンボーンがうまくブレンドされた第1曲目より楽しませていただきました。英国音楽らしいウィットとウェット、そう湿気が英国音楽には重要な要素だと思っていますけど、それもよく出ていたのは第2曲目ですね。 第3曲目も快活ながらもまとまりの良いアンサンブル。 朗々と吹くトロンボーンも突出せずにきちっとオケの響きにマッチしていました。 始めて聴く曲かもしれませんが、いい曲だと思ったのは、演奏が素晴らしかったことの証ですね。

そしてハイドンの交響曲「ロンドン」も第1楽章が素晴らしかったですね。 弾力のある引き締まった響きによる序奏、主部は明るく快活ながらもよく練りこまれた響き。 ここでのトランペットはロータリ、きちっと纏めてオケからはみ出すことなく巧かったなぁ。 木管アンサンブルもちょっと堅めの響き。2本になったコントラバスが土台をきちっと支えていて、奇を衒うことの無いハイドンを楽しみました。 アマオケでハイドン、難しいと思うのですが、さすがに最後まできちっと纏めて見事。

梅雨の合間、陽も射して蒸し暑くなってきましたが、いい演奏会でした。


以下、未稿