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学園前アンサンブル 初夏のコンサート

マリンバを打つ響きと余韻、その多彩さに圧倒戻る


学園前アンサンブル 初夏のコンサート
2012年7月14日(土) 14:00開演 学園前ホール

コレッリ:合奏協奏曲第5番変ロ長調
グリーグ:組曲 ホルベアの時代から
ハッチ:マリンバ協奏曲
モーツァルト:交響曲第29番イ長調 K.201
(アンコール)モンティ:チャールダッシュ

独唱:前川典子(マリンバ)

指揮:辻 俊彦


2005年9月3日、同じく学園前ホールで開催された第1回のコンサート「学園前アンサンブル 初秋コンサート」以来の訪問となりました。 この間、2009年8月、2010年12月と不定期ながら好きな曲を気の合う仲間と演奏活動を続けてこられたそうです。 もとより何名かの方は、奈良を拠点とするアマオケ演奏会でお名前を拝見しておりますし、ゲストの前川典子さんもプロ奏者ながら、アマオケへの助っ人としてよく出ておられますね。

そして今回、その前川さんをソリストとして演奏された、アール・ハッチ作曲マリンバと弦楽のための協奏曲、マリンバを打つ響きと余韻、その多彩さに圧倒。 初めて聴く曲ですが、ぐいぐいと惹き込まれました。 なかでも第2、3楽章でのカデンツァでは、素晴らしいテクニックを如何なく発揮されて、特に3楽章での思索的な音楽が興味深かったですね。 1973年の作曲とのこと。 いい曲を教えてもらいました。

これに先立って、学園前アンサンブル・オリジナルメンバーで、まずコレルリの合奏協奏曲第5番。 ソリスト3名と合奏による協奏曲ですが、少々生真面目ながら清々しい演奏でしたね。 この前に自宅でコレルリの第8番をカラヤン/BPOで聴いて、ドイツ風のイタリアバロックと感じたのですが、学園前アンサンブルのは日本風のイタリアバロックといった感じでしたかね。

続いて、グリーグのホルベアの時代から。 指揮者の辻さんの想いのこもった振りで、落ち着きながらも熱気のある演奏だったと思います。 第5楽章などもうちょっと瑞々しくとも感じましたが、ヴィオラ、チェロなど頑張っていた真摯な合奏でしたね。

休憩を挟み、前川さんの妙技によるハッチの協奏曲のあと、ホルン2本、オーボエ2本の助っ人を得て、モーツァルトの交響曲第29番。 冒頭よりやや堅さを感じましたが、第4楽章ともなると気合も入って堂々とした演奏。 管楽器と弦の響きがマッチした一体感ある演奏が良かったですね。 アインシュタインが奇跡と絶賛したのがこの29番と短調の25番。 個人的にはこの演奏なら25番のほうがこのアンサンブルには似合っていたかもしれないな、などと生意気にも思って聴いていました。

アンコールは、前川さんのマリンバも加わってのチャールダッシュ。 ここでも素晴らしい演奏で、会場が大きく盛り上がっての幕。 大きな拍手が客席から沸き起こりました。 ご近所アンサンブル、今後も精力的に続けていかれるよう地元民として期待しております。


以下、未稿