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大阪市民管弦楽団 第76回定期演奏会

実演でのみ感じることができる醍醐味を存分に戻る


大阪市民管弦楽団 第76回定期演奏会
2012年9月9日(日) 14:00開演 ザ・シンフォニーホール

ヴェルディ:歌劇「ナブッコ」序曲
リスト:交響詩第3番「レ・プレリュード」
ブルックナー:交響曲第7番ホ長調(ノヴァーク版)

指揮:松岡 究


長大なブルックナーの交響曲第7番、終始弦楽器と管楽器が呼応しあう見事な演奏でした。 金管楽器のパワフルな音に耳を奪われがちですけれども、弦楽器のアンサンブル、なかでもチェロ、ヴィオラといった中音弦の粘り強い響きと、透明感のある高音弦の絡みなど、実演でのみ感じることができる醍醐味を存分に楽しませてもらいました。 コントラバスは9本、終楽章での深いピチカートの響きも印象に残りました。

指揮者の松岡究さん、このブルックナーの交響曲第7番が指揮者になったきっかけの曲とのこと。 思い入れもあったとは思いますが、終始淡々とリードを重ねておられたようです。 押し出しの強い響きとすることはあっても、煽るような場面はなく、しっかりとした音楽造り。 オケもそれに見事に応え、ソリッドな響きの管打楽器、粘り強い弦楽器によって、立派な演奏となっていました。

しかしここまで立派な演奏になると、あとは好き嫌いの領域かもしれません。 当方、良いブルックナーの聴き手ではないこともまた再認識した次第です。 聴いているとき、巧いなぁ、良い演奏やな、と思っていて実際に前かがみになって聴く場面も多くありました。 けれども、どこかでイマイチ乗り切れていなかった、と感じたのも正直なところです。 何なのでしょうね。

冒頭に演奏されたナブッコ序曲、重層的なアンサンブルにタイトな音楽。 こちらもよく揃って巧いなぁ、と思ったものの、ちょっと息が詰まるようにも感じました。 続くレ・プレリュードもパワフルな音楽とし、荘重さや落ち着きもあって、うごめくように音量を上げてゆく場面などなかなかのものでした。 でもね、なんだかイマイチ乗り切れなくて、これは曲の好き嫌いやな、とこのときには結論付けましたけど。 ブルックナーもなんか同じだったのは何かな、と。

今回はBB席、2階席前列2列目の中央ブロックという良い席をいただきました。 上から見ていたこともあって、特にブルックナーでは、それぞれの場面場面で、オケの面々が必死になって、思いを込めて、演奏されているのは手に取るように分かりました。 なんとなく鳴っている場面など皆無。 しかも長大な曲、松岡さん終始的確にリードするのが指揮者の仕事なのでしょうが、これによって曖昧さの感じられない演奏であったようです。 前2曲でちょっと息が詰まるように感じたのもこのせいだったのかもしれません。

下手なオケなら、なんとなく鳴ってしまう、そんな場面もあるでしょうが、腕の立つこのオケでは、よく揃った巧い演奏に留まらない何か、これを松岡さんに曳き出して欲しかったように思いました。 ただそれが何だか分かりませんし、それを掴めない自分へのもどかしさがあるのかもしれませんので、偉そうに書いてすみません。

やはりブルックナーって自分にとって難しいですね。 実演でのみ感じることができる醍醐味を存分に味わいましたが、すっと落ちてこない。 しかし、繰り返しになりますが、本当にオケの皆さんは奮闘されていて、素晴らしい演奏をされていました。 このことは演奏終了後、垣間見えた皆さんの笑顔の素適さから読み取ることが出来ました。 最後まで聴いて、大きな拍手を贈っていました。 よくわからなかった聞き手がいたということで勘弁してください。 演奏会に参加された皆さんお疲れさまでした。 考える機会を与えてくれてありがとうございました。 当方のキャパがなくて上手く書けなくてごめんなさい。


以下、未稿