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高知大学交響楽団 第53回定期演奏会

しっかりとした演奏内容に良い意味で期待を裏切られた戻る


日時:2012年11月25日(日) 14:00開演(13:30開場)
場所:高知県立県民文化ホール・オレンジ

モーツァルト:交響曲第41番 ハ長調「ジュピター」
ブラームス:交響曲第2番 ニ長調
(アンコール)メンデルスゾーン:結婚行進曲

指揮:池田 俊


旅行中、高知大学・朝倉キャンパスの立看板で見つけたので行ってみることにしました。 遅いテンポながらも清新な響きで奏でられたジュピター交響曲、丁寧で真摯な音楽に熱気を孕んでロマンの香りを漂わせたブラームスの第2番のシンフォニー。 正直あまり期待はしていませんでしたが、しっかりとした演奏内容に良い意味で期待を裏切られるとともに、少々反省した次第。 大きな拍手を贈りました。

指揮者の池田さんは、大阪フィルの元トランペット奏者より指揮者に転進。 アマオケ・トレーナーとしても活動されていて、奈良の橿原交響楽団を指揮された第11回定期演奏会(2003年11月16日)以来の拝聴となりました。 アマオケにも判りやすい指揮でオケを統括し、縦の線を綺麗に揃えて見事ですし、きちっとした演奏のなかにも、華やかさを感じさせたのは、トランペット奏者であった池田さんのリードによるものでしょう。

ジュピター交響曲、いつくしむように第1楽章を開始。 上質な響きにキレもあって、なかなか演るな、と・・アマオケでモーツァルトは少々荷が重いと思ってましたけれど、遅いテンポながら清新な響きで奏でられて良い意味で期待を裏切られました。 第2楽章も充分にタメをとった息の長いフレーズ。 管楽器がやや潤いの少ない響きながら、かえって華美にならずに落ち着いた雰囲気でよかったですね。 第3楽章は透明感ある高音弦で開始、ゆったりと力を込めて芯もあるけど肌触りの良い響きが印象的。 第4楽章は少々力が入って音量も上がったみたい。 中低弦の響きが綺麗に分離してフーガを堂々と演奏して少々感動的。 ふわったした着地も見事でした。

15分の休憩を挟んでブラームスの交響曲第2番、第1楽章もちょっと遅いテンポで始まってホルンがややベルアップ気味に吹い始まりました。 しっかりとした構成感ながら歌心も感じさせて清新な響きなのは若いオケだからでしょう。 第2楽章、ホルンの女性奏者が良い響きで凜としたオーボエ、フルートが応えてました。 第3楽章は明るく朗らかな雰囲気もよく出ていましたね、真摯なオケとロマンあふれる池田さんの想いがうまくブレンドされていたように思いました。 そして終楽章、弾力を感じさせる開始より熱い音楽が迸り出ていました。 溜めるべきところ、躍動的なところ、しっかりと演じわけながらもクライマックスは全員一丸となって奏で上げた最後のフレーズを長く伸ばしたのは池田さんの真骨頂でしょうか。 大きな拍手を贈りました。 よかった。

アンコールは「結婚行進曲」、トランペット奏者でもあった池田さんだからでしょう、煌びやかなのだけれども変に金管だけが突出せずに華やかな演奏ながら落ち着きもある演奏。 これはブラームスの終楽章でも感じたことでした。

高知大学交響楽団、パンフレットによると今年が創団50周年だそうです。 4年前には人員減のため存続も危ぶまれていたそうですが、医学部管弦楽団(元高知医科大学管弦楽団)との相互交流や高知県立大学(元高知県立女子大学)からの参加や社会人、教員も加わっての精力的な演奏。 偶然、演奏会に接することができ、真摯な活動を垣間見れたこと良い経験となりました。 今後も活躍を期待しています。


以下、未稿