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かぶとやま交響楽団 第46回定期演奏会

引き締まった響きによる明快な音楽戻る


2013年2月2日(土) 14:00開演(13:30開場)
伊丹アイフォニックホール

バルトーク:ルーマニア民俗舞曲
チャイコフスキー/ヴァイオリン交響曲 ニ長調 op.35
ビゼー/交響曲第1番 ハ長調
(アンコール)ビゼー/「子供の遊び」より「ギャロップ」

独奏:三田浩平

指揮:藤田謹也


張りのある弦楽アンサンブル、艶を感じさせる管楽アンサンブル、小気味良く叩くティムパニ、いずれの曲も引き締まった響きによる明快な音楽。 きびきびとした音楽は、厳冬のなかの1日にあって、セーターも不要なほどの暖かな1日となったこの日によく似合っていたかもしれません。

ルーマニア民俗舞曲は、いわゆるバルークらしい透徹とした響きが印象的。 集中力を高めてきちっとした音楽ながら、深い響きの弦楽器や管楽器の陰影も見事。 そして4曲目からの変拍子のポルカそして踊りの曲も華やかなのですが、いずれもきちっと統制された音楽でした。 バルトークらしいといえばそうでしょうが、もう一歩進めて余裕を求めるのは欲張りかもしれませんね。 でもそれが欲しくなってしまう上手い演奏でした。 あと、いきなり4曲目で終って吃驚しました。 プログラムを読んだら、最後の3曲は続けて演奏されるのですね。

そしてチャイコフスキーのコンチェルト、楽器から奏でられる響きが時に太棹の三味線を連想させるような含蓄ある響きによる堂々とした演奏でした。 オケは独奏者にぴったりと寄り添った楷書風の伴奏として、終楽章の独奏との対峙も見事に盛り上げての万雷の拍手。 ソリストの三田浩平さん、精神科のお医者さん、アマチュアなのですね。 だけど、といっては失礼になるでしょうが終楽章のハルモニクスも見事に決めていました。 第1楽章の冒頭より淡々とした表情ながら気持ちの乗った演奏を展開。 気持ちが時に先走るからでしょうか、もうちょっとしっかりと止めたら、と思えた場面もありましたけれど技術的には素晴しく、アマチュアとは思えない見事な演奏に聴き入りました。

メイン・プログラムは、ビゼーが17歳の時に書いた交響曲。 颯爽としたこの曲を、かぶ響らしいタイトに織り成す響きによって演奏された快演でした。 第1楽章の冒頭より、シトラスオレンジをぎゅっと絞ったようなフレッシュで瑞々しい響きで始まり、終始この雰囲気をもったまま終楽章まで走りましたけれども、緻密にコントロールされた音楽が素敵。 弦楽パートの分奏がしっかりとし、管楽器も抑制かけて全体の響きよりはみ出ることはありません。 ティムパニも要所を小気味良く締めて、集中力の高い演奏でした。 伸びやかな曲ではあるのですけれども。 これがかぶ響らしさでしょうね。

第2楽章のオーボエのエキゾティックなソロ、深みも感じさせて素晴しかったですね。 そしてティムパニはハンドルをクルクルと回してチューニングしながらとても大変そうでしたが、その真摯な目と丁寧に打つ音がこのオケの特徴をよく示していると感じた次第。 かぶ響らしい充実した響きに満たされた演奏会でした。 皆さんお疲れさまでした。


以下、未稿