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六甲フィルハーモニー管弦楽団 第36回定期演奏会

アッテルベリ/交響曲第6番、意欲的なプログラミングを無料で戻る


日時:2013年9月1日(日) 14:00開演(13:30開場)
場所:神戸文化ホール・大ホール

曲目:ショスタコーヴィチ/祝典序曲
   アッテルベリ/交響曲第6番 -*
   カリンニコフ/交響曲第1番

(アンコール)
   グリエール/「青銅の騎士」より「偉大な都市への賛歌」

指揮:松井真之介、森 康一 -*


2009年3月20日、児玉宏指揮大阪シンフォニカー交響楽団の定期演奏会で日本初演されたばかりのアッテルベリの交響曲第6番、アマチュアでも演奏するのかと喜んで駆けつけました。 演奏もとてもしっかりとしたもので、プログラムにも書かれていたように、更にこの曲が好きになる人が増えれば幸いです。

大阪シンフォニカーによる録音もよく聴いているので、第1楽章こそ冒頭のホルン(大阪シンフォニカーでは名手細田さんの演奏だろう)ほか皆さん律儀に演奏されているけれども、やはりプロと違って潤いが少ないなぁ、と思っていたのだけれど、行進曲調となった第1楽章の中盤あたりより伸びやかになって俄然面白くなってきた。 大太鼓など打楽器軍団の奮闘、終始勇壮に鳴り響かせるホルン軍団にも熱が籠っての熱演。 木管による祭囃子のような響きもあってぐっと盛り上がっての終結。 打楽器のスティックが落ちる事故音が混じったは少々残念でした。
第2楽章、密やかな弦の響きにクラリネットのソロがもの哀しく始まるアダージョ。 いわゆる北欧音楽らしい冷やりとした美観漂う演奏でした。 またここではヴァイオリンが3プルト、ヴィオラ・チェロ・コントラバスは1プルトのみによって演奏されていて、録音だけでは分からない仕組みをこの眼で見、耳で聴けて、ほほうっと驚いたり納得したり。 面白い曲いい演奏であることを再認識したしだい。 ティムパニのロールより力を増すとともに哀愁も籠った感動的な演奏として終結。 録音で聴くより実演が素敵でした。
終楽章は「アメリカ商業主義のコマーシャルの繰り返しへの皮肉を込めたロンドの大騒ぎ」とのこと。 チェロ、ヴィオラ、2ndヴァイオリンへと旋律の受け渡してゆく様や、ステージ左の高音弦(ヴァイオリン)と、右に配置された中低音弦(ヴィオラ・チェロ・コントラバス)のステレオ効果、また高音弦の軽やかなアンサンブルと引き締まった低音ブラス+打楽器群との対比も面白かった。 後半、コミカルな響きや軽やかな旋律、音色の変化も楽しめた「大騒ぎロンド」は潔く駆け込むようなフィナーレで、最後まで大いに楽しませて頂きました。

これに先立って演奏されたショスタコーヴィッチの祝典序曲。 燕尾服姿の指揮者の松井さん、長い指揮棒を持ち、両腕を頭上にすっと上げてた姿は、ファンタジアのストコフスキーみたい。 そして出てきた音楽もオープニングには相応しく派手な演奏。 終盤には舞台右ソデに配したトランペット3本+トロンボーン3本、左ソデのホルン4本も加わって華やかさを倍増。 少々シンバルが派手に鳴り過ぎかなと思ったけれど、最後は大きく伸びやかに締めくくっていました。

トリはカニンニコフの交響曲第1番、甘美なメロディてんこ盛りの曲ながら重厚感も漂わせて堂々とした演奏を展開。 終楽章のフィナーレでは松井さんのボディブローのようなパンチも繰り出しての大団円で、両手で放り投げるように締めて、ちょっとこの曲の別の面を感じたしだい。
第1楽章、艶やかな弦ながら冒頭ちょっと乱れたでしょうか、中低楽パートしっかりと曲を支えていて安定感・重量感あり。 甘美なメロディの連続ながら、キレよく重厚に響いて進めている感じ。 松井さん、途中指揮棒を左手に持ち、表情をつけていたりもしますが、芯になった響きに聴き応えあります。 ティムパニのロールによる終結も、ちょっと纏まり感なかったかな。
第2楽章、ハープの雨だれのような響きが綺麗。 木管楽器も奮闘して柔らかく優しい響きです。 弦楽アンサンブルは力強くそして深く。 ホルンのメロディのあとハープの雨だれの響きが戻り、コールアングレの密やかな響きも素敵で、静かに着地。
第3楽章、力強く粘り気もある弦の響き、勢いよく開始。 ブラスも力入って、縦ノリで進めて華やかに展開するも、低弦がしっかりと絡んで安定しています。 すっと止め、オーボエの凛とした音色が素敵。 フルートもしっとりとさせてから、弦が入って力強くゆったりと進めてますが、ちょっと散漫にも感じられたかな。
第4楽章、艶やかな弦の響きを力強くキレ良く進め、ブラスも加わっての盛り上がり。 木管と弦の受渡しもスームスながら気合いの入った演奏。 弦の分奏は変わらずしっかりとしているし、トロンボーン・チューバなど底鳴りのするブラスも絡んでこの楽章も聴き応えあり。 フィナーレは集中力を高めたクライマックスを形成、松井さんのボディブローのようなパンチも繰り出しての大団円。 高らかに歌い上げるようにし、最後は両手で放り投げるように全曲を締めました。

アンコールも珍しい曲とのこと、帰りにロビーで作者と曲名を見て欲しい、と言われて始まったのは、雄大な感じのする大柄な曲。 グリエールの「青銅の騎士」より「偉大な都市への賛歌」。 指揮棒を持たない松井さんは鳥が羽ばたくようなジェスチャーも交え、たっぷり聴かせます。 最後には松井さんの左右ストレートパンチも繰り出し、大きく盛り上げてのお開き。
意欲的なプログラミングを無料で届けてくださる六甲フィルに感謝。 有難うございます、そして、皆さんお疲れさまでした。


以下、未稿