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枚方フィルハーモニー管弦楽団 第80回定期演奏会(60周年記念演奏会)

暖かな気持ちが満ちてとても楽しい演奏会戻る


日時:2014年10月26日(日) 14:15開演(13:30開場)
場所:枚方市市民会館・大ホール

曲目:
(オープニングファンファーレ)
   金管・打楽器奏者
     すぎやまこういち/中央競馬のファンファーレより「東京&中山G1競走」
(ウェルカムコンサート)
   木管五重奏
     ハイドン/ディベルティメントより第1,2,4楽章
     J.シュトラウス1世/ラデツキー行進曲
       枚フィル女子木管五重奏団
         滝本明子(fl)、新井理恵(ob)、越野倫巨(cl)、
         北野知恵(hr)、新谷 絢(fg)
   弦楽アンサンブル
     シベリウス/アンダンテ・フェスティーヴォ
       谷村 浩 指揮 枚方フィルハーモニー管弦楽団弦楽器奏者有志
(本プログラム)
   エルガー/エニグマ変奏曲 (-*)
   ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調「運命」
(アンコール)菅野よう子作曲・岩井俊二作詞/花は咲く
(アンコール)レハール/金と銀

指揮:生島 靖、寺坂隆夫 (-*)


枚方フィルらしい暖かな気持ちになった60周年記念演奏会でした。

入場すると頂けるパンフレット、枚方フィルのロゴマークの入ったクリアホルダーに入っていました。 これに驚くとともにお得感でまずにっこり。 今回はお客さんも多くいらしているようで、会場整理の方も増員されていたのでしょう。 いつもの2階席より入りましたが、ここにも会場整理の方が複数名いらして、にこやかに出迎えてくださいました(帰りにもにこやかな笑顔で「ありがとうございました」と言われていました)。

最前列に陣取りましたが、ステージでは既に木管五重奏が演奏されていたのに驚きました。 今回はウェルカムコンサートとして、開場時にはファンファーレ、続いて木管五重奏、最後に弦楽アンサブル。 弦楽アンサンブルといっても谷村さん指揮による12型編成のフルオケによる思い入れたっぷりのアンダンテ・フェスティーヴォ。 次第に熱気が籠ってきた堂々たる演奏でした。 こんなことならもっと早く来るべきでしたが、ノリの良い木管五重奏によるラデツキー行進曲を最初から聴けたのが幸いでした。 うきうきとさせる演奏に、客席より自然発生の手拍子も加わってまたもやにっこりと。

ロビーコンサートは混み合っているのと、目の前で団員さんが演奏されていると何となく気恥ずかし事もあって敬遠してしまうのですが、これなら気楽に楽しめます。 お隣のアベックさんなどビスケットの封をバリッと切って食べながらの鑑賞・・・ま、これも枚方フィルらしくて許せてしまいます(本プログラムでは食べてませんでした、念のため)。

本プログラムは、寺坂さんらしく丁寧かつ明快に纏められた「エニグマ変奏曲」。 静謐な響きには艶も乗っていて上々の滑り出し。 底鳴りのするトロンボーンの響きも良かったですけれど、オケ全体が落ち着いた音色で統一されていて、落着いた大人の音楽といった感じ。 第9変奏のニムロッドでは雄大としつつも寺坂さんの落ち着いた音量コントロール、溜めて練り上げた盛り上がりは見事でした。 続く第10変奏では低弦ピチカートが暖かな響きでほっこりとさせるチャーミングな音楽としていたことも印象に残りました。 ストレートに盛り上げた終曲、寺坂さんが最後まで各所に気を配って曲を進め、弾けるようなエンディングを見事に決めました。

15分の休憩を挟んでメインプログラムの前、枚方市長の挨拶。 堅苦しい挨拶かと思いきや、気さくな感じのする市長さんのお話のなかで、5年後のオープンを目指して新ホールの設計費を計上されたとのこと。 こけら落としには枚方フィル85周年記念演奏会とのサプライズ? 団員の方も驚かれていたようです。

さて、メインプログラムは生島さんの指揮による「運命」。 オーソドックスな開始でしたけれど、突き抜けるトランペット、強奏するホルンで彩られて少々気色ばんだ面を見せながら進みます。 第2楽章でも落着いた演奏の中でも木管楽器が歌っていたりもして、運命はちょっとハイソな大人の音楽といった印象。 取り立てて変わったことをしていないようですけれど、生島さんって結構ロマンティストではないかなぁなどと思える演奏を楽しみました。 終楽章は落ち着きまがらも熱気のこもった演奏として見事なフィニッシュ。 ブラボーの声も飛び出しました。 オーソドックスで落着いていながらもドラマティックな音楽造りに好感が持てました。

アンコールは2曲、アンコール曲の「金と銀」を聴きながら思いました。 音楽を聴く楽しみって何、演奏する楽しみって何・・・ きっと演奏を成し遂げようとする一所懸命さ、それを音楽を通して聴かせてもらうこと。 今回の企画もまたそんな一所懸命さにあふれていました。 枚方市にこんなオーケストラあるの初めて知った・・・と嬉しそうに語っている人の横を抜けてロビーに出ると、指揮者の生島さんはステージを退けるとロビーに飛んで出てきたのでしょうね、アンケート回収箱を持って「ありがとうございました」「そのままでいいから、ぐしゃっと入れて」などとにこやかに挨拶されていました。

会場には暖かな気持ちが満ちていてとても楽しい演奏会でした。
ありがとうございました。 そして遅ればせながら80周年おめでとうございます。
85周年を楽しみにします。


以下、未稿