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紫苑交響楽団 第25回定期演奏会

奥行きのしっかりとある弦楽アンサンブルが素晴らしい戻る


日時:2015年2月15日(日) 14:00開演(13:00開場)
場所:高槻現代劇場・大ホール

曲目:ベートーヴェン/祝祭劇「献堂式」序曲
   ハンス・ロット/交響曲第1番 第1楽章(1878年初稿版)【日本初演】
   ベートーヴェン/交響曲第6番「田園」
(アンコール)ワーグナー/楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲

指揮:寺岡清高


明るい響きながら奥行きのしっかりとある弦楽アンサンブルが素晴らしかった。 7本(田園では6本)のコントラバスの響きの上にヴィオラや第2ヴァイオリンもしっかりと鳴っているからでしょうね。 シャープでコンパクトに振る寺岡さんに導かれて、いずれの曲も聴き応えのあった演奏を楽しみました。

冒頭のベートーヴェンの祝祭劇「献堂式」序曲、あまり聴かない曲ですが、作品番号124は、第九(作品番号125)の一つ前の曲とのこと。 祝祭気分満載の明るい音色ながらしっかりと鳴る演奏に、今日は良い演奏会になるな、との予感を持ちました。

そして今回のお目当てハンス・ロットの交響曲第1番第1楽章(1878年初稿版)。 版の違いについてはパンフレットに書かれた以外の知識は持ち合せませんが、この曲はCDで繰り返し聴いているお気に入りの曲。 瑞々しさと誇大妄想的に拡がってゆくような音楽に身を委ね、そしてラスト、このフィナーレの熱い響きには思わず涙しそうになるほど感動しました。 素晴らしかった。 冒頭より各ソロ奏者の方は大変だったと思いますが、いずれも共感漂う演奏となっていたので満足しました。 全曲を紫苑と寺岡さんで聴いてみたいものです。

メインのベートーヴェンの田園交響曲。 寺岡さんはオーソドックスな曲の運び、特に思い入れを持たず、淡々とかつ的確に曲を進めていたようです。 と、こんな風に書くと、ちょっと退屈な印象を与えるかもしれませんが、この曲の良さを自ら語らせせているように感じました。 そしてオーケストラもまた寺岡さんに良く応えて見事。 伸びやかに鳴る第2ヴァイオリンやしっかりと鳴るヴィオラ。 そしてこれらがドライブ感あるコントラバスの響きの上に乗っているので、艶やかに鳴る第1ヴァイオリンもまた冴えるのですね。 そんな素晴らしい弦楽アンサンブルにチャーミングな木管アンサンブルの彩りが添えられた田園交響曲。 明るい響きでありながらもしっかりと腰の据わったサウンドで名曲を堪能しました。

超のつく有名曲・田園交響曲と、最近流行りハンス・ロット、演奏される方々にとってはとても大変だったと思いましたが、いずれの演奏も堪能させていただき有難うございました。 皆さんお疲れさまでした。


以下、未稿