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京都フィロムジカ 第38回定期演奏会

久しぶりでしたが変わらず精力的なオケでした戻る


日時:2015年12月27日(日) 14:00開演(13:00開場)
場所:京都府長岡京記念文化会館

曲目:リスト(ミューラー=ベルクハウス編曲)/「ハンガリー狂詩曲」第2番
   ウォルトン(J.S.バッハ原曲)/バレエ組曲「賢い乙女たち」
   ブラームス/交響曲第4番
(アンコール)ブラームス(ドヴォルザーク編曲)/ハンガリ舞曲第17番

指揮:木下麻由加


先日の奈良女オケで好演を聴かせてくださった木下麻由加さんが指揮されるとあって、本年最後の演奏会として京都フィロムジカの演奏会に伺いました。 単身赴任前、2007年12月の第22回定演以来、しばらくご無沙汰していましたが、やはり巧いオケでした。

また選曲も凝ってますしね。 当方とあまり相性の良くないウォルトンでしたが、J.S.バッハの曲をモチーフにしたバレエ組曲「賢い乙女たち」が素晴しかったですね。 ウォルトンも根性決めて聴きなおしてみようか、と思った次第。 第5曲はソロも素晴しかったけれど、弦と管が一体となった豊かな音楽に心奪われました。

そして冒頭のリストのハンガリー狂詩曲第2番、プログラムには凝った解説もありましたが、分厚い響きに潤いも感じるほどによくオケが鳴ってましたね。 チャールダッシュも軽やかながら芳醇な響きに舌を巻きました。 キレよくスタイリッシュに決めていました。

メインのブラームスもきっちと纏めてよく鳴っていましたけれど、こちらはちょっと疑問符。 ゆったりと糸を引くような出だしに心躍らせましたが、やたらとホルンの響きが前に出ていたのに驚きました。 また皆さん巧くて各楽器がよく鳴って、良く言うと等価に鳴って聴かせているのですが、それぞれで鳴っているようであまり溶け合っていないのね。 これは指揮者の制御の問題と思うので、若さを前に出したブラームスだったのでしょうか。 ブラームスの交響曲は構成感がしっかりとしているので決して下手には聴こえませんけれど、何だか聴き疲れしてしまいました。 もっとも当方のような爺ぃには、枯淡の境地みたいな演奏がお目当てだったので、方向性の違いということで許してください。

それにしてもウォルトンの「賢い乙女たち」は見事でしたね。 第1曲より軽やかながら豊かな響きに魅了されました。 前のリストで聴かせた鋭角的な響きとは違って粘り気もありながら、金管コラールもカラフルでした。 第2曲は落ち着いた音楽ながら中低弦が腰の据わった響きで進めホルン、クラリネットもしっとりとしてオルガンのような響きが見事。 第3曲、ここれは中音弦、ヴィオラとチェロの粘り気を含んだ響きに、濡れたようなオブリガートのオーボエが絡んで素適でした。 ヴィオラが頑張ってましたね。 第4曲では活気のある音楽となってトロンボーンのハリのある響き、軽やかに打つティムパニそして瑞々しい弦楽器に金管コラールがバッハでした。

そして白眉の第5曲目、ハープの深い響きにヴァイオリンソロの艶やかな響き。 馬渕清香さんの独壇場となっても良いところをオケの各メンバーも綺麗な音楽で応えて見事。 フルート、チェロなどなど、弦と管が一体となって素晴しい時間を過ごすことができました。 そして終曲はそれまでのロータリー式よりピストン式のラッパに持ち替えて祝祭気分あふれる音楽として幕。 大きな拍手を贈りました。

京都フィロムジカ、久しぶりでしたが変わらず精力的なオケでした。 この演奏会が今年の聴き納め。 ブラームスはちょっと当方と合いませんでしたが、とにかく若くて尖っているのって素晴しいな、と思ったしだい。 皆さん良いお年を。


以下、未稿