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オーケストラ・アンサンブル・フォルツァ 第21回定期演奏会

自分たちの音楽を届けようという意欲に溢れた清々しい演奏戻る


日時:2017年5月28日(土) 14:00開演(13:30開場)
場所:八尾市文化会館・プリズムホール・大ホール

曲目:ヴォーン=ウィリアムズ/ノーフォーク狂詩曲 第1番 ホ短調 (*1)
   アッテルベリ/交響曲第4番 ト短調 op.14 (*2)
   シベリウス/交響曲第1番 ホ短調 op.39
   (アンコール)シベリウス/「カレリア」組曲より第3番「行進曲風に」

指揮:菊 正憲、周藤 英(*1)、大塚洋平(*2)


「北欧の自然と人々」をテーマにしたちょっと珍しいプログラムを団内指揮者でやってしまう意欲的な演奏会でした。 プログラムノートには、ヴォーン=ウィリアムズ→アッテルベリ→シベリウスとプログラムが進むごとに響きが充実してゆく構成、と書かれていたとおり、シベリウスの交響曲第1番の腰の据わった充実したサウンド。 今年聴いた演奏会の中で一番じゃないか、と感じました。 素晴らしい演奏でしたね。 またこの前のプログラムもまた指揮者とオケが一体となった演奏で、指揮者がオケをリードするのではなく、オケ全体が団内指揮者とともに意を一つにして自分たちの音楽を届けようという意欲に溢れた清々しい演奏を堪能しました。 またアンコールも良かったですね。 お馴染みの曲ですが足取り軽やかに明るい気分で会場を後にすることが出来ました。 月並みな表現ですが、いい演奏会でした。

シベリウスの交響曲第1番、ソリッドに打って更に追い込みもかけるティムパニ。 勇壮に吹く金管楽器とともに、これらが全然邪魔にならないのは、高音弦から低音弦に至る弦楽器群の充実したサウンドで下支えられているからですね。 ワーグナーやチャイコフスキー、ベートーヴェンを目標としたシンフォニストたらんシベリウスの第1番らしさが満載。 そしてまた管楽器や弦楽器のソロも巧かった。 これらをあげればキリがないほどですが、指揮者・奏者全員が持ち場をしっかりと固めてすべてを混然一体とし、ここにコクやタメもある腰の据わったサウンドですから、もうのめり込むように聴いていました。 惚れ惚れとしました。

これに先立つアッテルベリの交響曲第4番も、指揮者・奏者全員が一丸となって自分たちの音楽を届けようという意欲を感じました。 第6番のドル交響曲は単身赴任時代に図書館で借りてよく聴きましたが、こちらは初見参(のはず)。 ちょっと手探りで聴き始めましたが、冒頭より充実した弦楽器群に支えられ、また金管もよくブレンドされた響きでしたね。 第2楽章では木管楽器のソロがやわらかくフュチャーされてのどかな雰囲気もよく出てました。 そして終楽章フィナーレ、機動力を持ってリズミカルに進めたあと大きくタメを作っての着地。 曲の面白さは十分に使わってきました。

冒頭のノーフォーク狂詩曲、こちらは曲本来の持つ判りやすさというのかな馴染みやすさをそのままうまく引き出していました。 指揮者の周藤さん、指揮姿がぐいぐい引っ張っていく感じには見えず、喧騒の場面でも派手さを抑えてオケと指揮者が一体となって快活な盛り上がり、といった感じ。 全体的に伸びやかで透明感ある高音弦を主体とした弦楽アンサンブルが素敵でした。

いずれも素敵な演奏でしたけど、でも演奏会全体の印象はシベリウスの交響曲第1番の腰の据わったサウンドと明るく快活に進めたアンコール曲の印象に大きく染まってしまったみたい。 とにかく充実したいい演奏会でした。 次回は11月のオータムコンサート、「ピーターと狼」とストラヴィンスキーの交響曲ハ長調。 こちらも期待しますが、ひとまず皆さんお疲れさまでした。


以下、未稿