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オーケストラ千里山 第25回演奏会

強く心を揺さぶれた感動的なフィナーレ戻る


日時:2017年6月11日(日) 14:00開演(13:00開場)
場所:ザ・シンフォニーホール

曲目:マーラー/交響曲第2番 ハ短調「復活」

独唱:坂口裕子(S)、福原寿美枝(A)
合唱:オーケストラ千里山特別合唱団

指揮:井村誠貴


オーケストラ・合唱・独唱に加えバンダが絡みあうこのスペクタクルな曲をダイナミックかつ真摯に演奏されたオーケストラ千里山と合唱団の皆さん、そしてオペラ指揮者らしく起伏をつけてドラマティックかつ緻密に演出された井村誠貴さんによる素晴らしい演奏会を堪能しました。 創立20周年を記念するのにふさわしい充実した演奏会でした。

今回、左サイド LD-6席からの鑑賞。 弦楽器は対向配置で 15-14-13-10-8 の編成、コントラバスの上あたりから井村さんの指揮姿もつぶさに見ることができました。 またコントラバスを除くオーケストラ奏者もよく見えて、より一体感を持ってこの大好きな曲を聴く機会に恵まれました。

まずは指揮者の井村さん、いつもながらの大きな体躯を更にのけぞるように伸び上がらせた渾身の第1音より最後の1音まで、常に手綱を握って全身全霊でこの大曲に奉仕されていたのが強く印象に残りました。 そしてこの指揮を受けるオーケストラもまた、各奏者が全体を見据えたかのようで、よい演奏を創り上げるという思いを感じさせる誠実な演奏をしていました。 金管の咆哮や打楽器が打ち鳴らされて音量を上げたとしても野放図になることなく、木管楽器や弦楽器、なかでもヴィオラや第2ヴァイオリンの音もしっかりと聴こえてきて、この曲での色々な発見もあり、とても充実した時間となりました。

第1楽章冒頭では求心力を高めて放たれた冒頭の弦楽アンサンブルより聴き手の心を鷲掴み状態。 大きな起伏をもってダイナミックかつドラマティックな物語の始まりが見事でした。 しっかりと鳴るヴィオラの奮闘ぶりが心に残りました。 あとコールアングレの音色も良かったですね。

この楽章が終わると独唱者2名が登場、コントラバスとフルートの間に着席するちょっと珍しい配置。 独唱者もまたオーケストラの響きの一部といった考えでしょうか。 その前にオルガニストも登場しました。 合唱団は最初からクワイア席で着席していましたが、1席の空きもなくきちんと席が埋まっていて視覚的にも綺麗になってましたね。

第2楽章でもヴィオラと第2ヴァイオリンがしっかりと鳴る充実した弦楽アンサンブルが素敵。 これに寄りそう木管楽器も好演でした。 ハープのアルペジオがかなりハッキリと聴こえてきたのにちょっと驚きました。

第3楽章、リズム感良く奏られた音楽を楽しみました。 最初はちょっと早めのテンポだったかしら、次から次へといった感じで進められましたが、後半では響きをうまく内包させた充実した金管の響き、これが素晴らしかった。

第4楽章の原光、福原さんの深い声の響きがおごそかで、また落ち着いた金管がホールを埋めていました。 そして怒涛の終楽章は圧巻。 何よりバンダの演奏が素晴らしく、この曲の立体感をよく演出して惚れ惚れと聴いていました。 坂口さんの歌唱もまた柔らかな美声ながらオケにも負けずよく透っており、そして合唱団がよく訓練されていたのも印象に残りました。 そしてまた演出も良かった。 最初は座ったまま厳かに歌っていた合唱団、最後は立ち上がって歌いましたが、この時、オルガン奏者の左右にトランペットを2本づつ4本を配し、祭礼といった雰囲気。 そしてオケ・合唱・ソロ歌唱も一体となった壮麗かつ粘り強い響き、強く心を揺さぶれた感動的なフィナーレでした。

この日はマーラーの「復活」の1曲のみのプログラム。 アンコールもなし。 すべてをこの曲に捧げた意気込みがダイレクトに客席に伝わってきました。 素晴らしい演奏会でした。 またこのような素晴らしい演奏会に今回もまたご招待いただきありがとうございました。 皆さんお疲れさまでした。


以下、未稿