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オーケストラ・ポミエ 第6回演奏会

真っすぐに挑戦されて気持ちの良い演奏会戻る


日時:2017年9月2日(土) 13:30開演(13:00開場)
場所:あましんアルカイックホール

曲目:オネゲル/夏の牧歌
   キース・エマーソン(吉松 隆編)/タルカス(Tarkus)
   アッテルベリ/交響曲第2番 ヘ長調

指揮:村P 涼


意欲的なプログラム、若い団員さんが真っすぐに挑戦されて気持ちの良い演奏会でした。
今回の個人的な目玉は、何といってもEL&Pのキース・エマーソン作曲、吉松 隆編曲による「タルカス(Tarkus)」。 リアルタイムで「タルカス」を聴き、アナログのレコードも持っていて、今も時おりステレオにかけて聴いている身としては、この曲がどのように料理されて出てくるか。 とても楽しみでした。

吉松さんの編曲は原曲を忠実にオーケストレーションしたもので、曲への思い入れが強く感じられるものの、原曲が身に染みている身としては、大音響で圧倒しようとしても拭えない違和感を感じたのも事実。 総勢85名ほどオーケストラで、言い方は悪いけれどよってたかって演奏したけれど、この元曲をたった3人で演奏していたことの驚きの方が大きかったですね。 電気の力は凄かったな、とも。

プログラムの解説が精緻であったことは鑑賞の大きな助けになりました。 カール・パーマーのドラムを忠実に再現するための5人の奏者が必要だった、と解説に書かれていましたね。 これが左右の手足と口に銜えた紐で鐘を鳴らしていたことなど知る由もない若者たちによる一所懸命な演奏に接しているいると、たぶんこの曲が出来たときにはここの演奏者は誰一人生まれていなかったのだな、そんなことに気づいて妙に感慨深いものも沸いてきました。

こうやって音楽が次世代に引き継がれてゆく。 であればプログレ・ロックらしくただただ大音量で供されるのではなく、解釈としてよりブルージーに演奏されてみるのも面白かったのではないかな、とか。 いろいろと考えさせらもした演奏でした。 しかし、演奏そのものは集中力のあるとてもしっかりとしたもので、このような現代の曲に真っすぐに挑戦されたことに敬意を持ちました。 お疲れさまでした。

これに先立つオネゲルの「夏の牧歌」は初めて聴く曲でしたが、ホルンが健闘して初夏のさわやかな草原を想起させた良い演奏でした。 弦楽アンサンブル、とくにヴィオラが核になっていたのも肌合いの良い響きに結びついていたのではないかな。 素敵な時間となりました。

メインのアッテルベリ、いわゆるドル交響曲の第6番はCDや六甲フィルで聴き、第4番も先日フォルツァで聴いていましたが、交響曲第2番は初めて聴く曲。 柔らかな響き、音量が上がっても決して刺激的になることのない見事な演奏で、アッテルベリらしく北欧の情感がよく伝わってきた演奏でした。 金管のブラスが鳴るクライマックスでは、バス・トロンボーンとチューバがたっぷりとした良い味を出していましたし、木管楽器も艶を消した朴訥な響きであったことも好印象。 第2楽章からピアノもとても効果的でした。 ただ曲としては「屋上屋を架す」のことわざがどうしても思われるものでしたね。 それでも第3楽章を堂々とした演奏とされた奮闘ぶりは見事。

いろいろと書きましたが、いずれも素敵な演奏でとても良い時間を過ごすことが出来ました。 ありがとうございました。


以下、未稿