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京都フィロムジカ管弦楽団 第42回定期演奏会

熱い音楽が迸るフィナーレは圧巻戻る


日時:2018年1月21日(日) 14:00開演(13:00開場)
場所:八幡市文化センター・大ホール

曲目:ブルックナー/序曲 ト短調
   ドヴォルザーク/交響的変奏曲
   ブラームス/交響曲第2番

指揮:柴愛


京都フィロムジカらしい覇気ある演奏会でした。 指揮者の柴愛さん、弦楽アンサンブルをしっかりと纏めた聴き応えのある音楽つくりが印象的。 調べてみると京都フィロムジカとは4回目の共演なのですね(2011年第29回定演、2012年第31回定演、2014年第35回定演)。 弦楽器の編成は 9-9-8-9-6 だったでしょうか、中低弦に比重の高い構成ながら絶妙なバランス感覚で曲の屋台骨を構成していたのは弦楽奏者出身だからでしょう。 終始精緻に振ってオケをしっかりと纏めていましたが、ブラームスの交響曲第2番のフィナーレではギアを一段上げ、熱い音楽が迸るフィナーレは圧巻でした。

柴愛さん、奈良女オケで副指揮者をされていた2007年と2012年、牧村邦彦さんが常任指揮者を退任された直後の2014年の指揮を聴かせてもらっていますが、やはり弦楽アンサンブルの巧さが光っていました。 冒頭のブルックナーの序曲、若書きの習作で当方は初めて聴く曲ながら、冒頭の力強く深い響きから、まさにブルックナーの世界を醸成していた驚かされました。 そんなキレの良い弦楽器の各パートを纏めて小気味よく曲を進め、2管編成ながらもじつにスケールの大きな管楽器の響きで彩られた音楽でした。

続くドヴォルザークの交響的変奏曲も初めて聴く曲。 ドヴォルザークらしい郷愁も感じさせた開始より正確なアンサンブルで主題を変奏させてゆきました。 覇気あるオケと気鋭の指揮者による演奏、でも見方を変えると、マジメなオケと正確な指揮。 ちょっとスキマとかウィットも欲しくなるもので、常に前に前にと進む音楽に少々堅苦しさも感じたりもしました。 でもヴァイオリンのソロがオケ全体の響きにマッチしていたり、懐かしい旋律も見え隠れし、またフーガの妙味も感じさせ、フィナーレもまたカッコ良く熱く閉じました。 オケは頑張っていましたが、しかし少々聴き疲れしてしまった感じとなっておりました(すみません体力なくなってて)。

20分間の休憩のあと、今度はお馴染みのブラームスの交響曲第2番。 終楽章の冒頭、チェロ9本、コントラバス6本が壮観でした。 このように書くと単に低音がゴリゴリと鳴るイメージですが、綺麗に揃ったアンサンブルをやや明るめに響かせて、曲の底流を伸びやかに流していたのにぐっと魅かれました。 またヴァイオリンは9人編成だけれども快活で覇気のある響き、抑揚を巧くつけて歌うブラームス。 そこに金管楽器をストレートに響かせて輝かしく音楽となってコーダでは更に一段をギアを上げて圧巻のフィナーレ。 若さ溢れるブラームスに会場より大きな拍手が湧きあがりました。 ステージで演奏されていた方々を見ていると、やりきった感が漂っていました。 若さあふれた覇気ある演奏会。 アンコールが無かったのは、このやりきった感では不要なのと納得しました。

若いオケと指揮者による覇気に満ちた演奏会、皆さんお疲れさまでした。


以下、未稿