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天理シティーオーケストラ特別演奏会 吉田南のベートーヴェン

抜群のテクニックより繰り出される芯のある響き、しっかりとした奥行き戻る


日時:2018年8月5日(日) 15:00開演(14:30開場)
場所:天理市民会館・やまのべホール

曲目:ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲
(アンコール)イザイ/無伴奏ヴァイオリンソナタ第1番より第3楽章「アマービレ」

独奏:吉田 南(vn)

指揮:安野英之(常任)


未就学児童も気楽に聴ける「真夏のオーケストラ!夏休み名曲コンサート」では第3楽章のみ演奏されたベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲。 いったん会場を閉じ、未就学児童にはご遠慮願った大人の時間とし、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲、1曲のみの特別演奏会。

吉田南さんと天理シティとは、一昨年の定期演奏会においてダイナミックなチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を聴かせてもらいましたが、ベートーヴェンでは抜群のテクニックより繰り出される芯のある響き、しっかりとした奥行きを持って、終楽章では全身全霊を込めたカデンツァに感動しました。 若さが醸し出す決してブレない生真面目さのようなものを感じることもありましたが、アンコールで聴かせていただいたイザイの無伴奏、空気感がまったく異なりました。 深く沈み込むような演奏に酔いました。 将来が楽しみです。

第1楽章、オケの上々の滑り出し気迫のこもった前奏で曲が進んだのち、透明感のある吉田南さんのソロに繋ぎます。 芯のある響きでしっかりと決めて、線の細さなど微塵も感じさせない堂々たる響き。 オケも更に気合いを込めて繋ぎます。 吉田さんのソロは奥行きも感じさせてダイナミック。 ですが、正直ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲は苦手なのですね、丁々発止で進みましたが少々生真面目に進んでいったようにも感じられて集中力低下(すみません)。 カデンツァも抜群のテクニックに艶が乗った響きでしたがもうちょっと間合いというか自然なスケール感が欲しかったな(と偉そうにすみません)。 でもテクニックは抜群で終盤のメロディラインなど圧巻でしたね。 将来が楽しみです。

第2楽章、暖かなオケの響きに導かれて、繊細で透明感の高い吉田さんのソロ。 純度が高いけれど冷たくないのですね、柔らかさ温かみも感じさせます。 オケではファゴットがいい響きでサポートしてました。

第3楽章、深い響きをかろやかに奏でて入ります。 巧いなぁ。 ここでは端正に進めていったようです。 安野さんは終始にこやかな笑顔でサポート。 吉田さんと一緒になってヴァイオリン協奏曲を紡ぎ出している感じ、オケとの一体感が素晴らしかった。 そしてカデンツァ、全身全霊で奏でる真摯な響きに感動。 オケが入って更に気迫も込めて全曲を閉じました。 抜群なテクニックで微動だにしないベートーヴェンとった感じ。 巧かった。 欲を言えば、若さが醸し出す決してブレない生真面目さが時に感じることでしょうか。 年輪を重ねて肩肘張るところの無い自然なスケール感が出ることを期待します。 まだ20歳ですものね、将来が大いに楽しみです。


以下、未稿