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オーケストラ・ソノリテ 第35回定期演奏会

躍動感をもってオーケストラをよく鳴らす戻る


日時:2018年8月12日(日) 14:00開演(13:00開場)
場所:あましんアルカイックホール

曲目:スメタナ/歌劇「売られた花嫁」序曲
   ベートーヴェン/交響曲第1番
   ドヴォルザーク/交響曲第8番
(アンコール)ブラームス/歌のしらべのように

指揮:ギオルギ・バブアゼ


躍動感をもってオーケストラをよく鳴らしていました。 バブアゼさん、こんなによく動いて指揮してたかなと思うほど、にこやかな笑顔を時おり交えて、ぐィぐィッとオーケストラをリード。 オケもまたそれに良く応えて、色々な楽器の音が等価に鳴っているようなとても密度の高い演奏を楽しみました。

冒頭の「売られた花嫁」序曲よりほぼ全開でしたね。 集中力の高さもさることながら深くコクのある弦楽アンサンブルの響きが有機的に絡み、わくわくとした開始より惹き込まれました。 音量上げた管楽器もパワフルなんだけれども響きの角をしっかりと落とし、刺激的になることなく、オケが一丸となって密度が高い。 いきなりの濃い演奏に驚きましたが、大満足。

ベートーヴェンの交響曲第1番、最近流行の軽量級の演奏ではなく、重厚な響きを交えてのしっかりとした演奏。 オケの弦楽器の編成は通常配置で 11-9-8-8-5 と中低弦に比重がかかっていたからでしょうか、密度の濃い響きが躍動感をもって進み、こちらも素晴らしかった。

第1楽章、やわらかく膨らみをもった和音で始まり、ゆったりと大きく呼吸しがら進みます。 主部、凛とした木管の響きで彩られながらも重厚感を持った響きでぐぃっと押して来る。 バブアゼさん、指揮台の上を前に後ろに動いています。 オケの響きをバランスして、全体を鳴らしているようですね。 そしてこの楽章、じつに太い響きで堂々たる着地。 第2楽章、響きを深めにとった2ndヴァイオリンより響きを重ね、時にやわらかくもあり、堂々たる弦楽アンサンブル。 じっくりと腰の据わった音楽でした。 第3楽章は厚い響きでした。 各楽器の音圧が高く、グィグィと進んでゆきます。 弾き飛ばしているのではなく、しっかりと1つひとつ丁寧に演奏しているのですね。 終楽章は更に密度を濃くして走ります。 艶やかな響きが押しの強さを持って走ります。 トランペットの響きが全体の響きを壊すことなく抜けてきて躍動感を増し、ティムパニの深い打音で締めています。 そして終結、バブアゼさんの両腕が真下に突き下ろされる力強い着地。 堂々たる立派な演奏に会場は沸きました。

15分間の休憩を挟んでドヴォルザークの交響曲第8番。 振り幅を大きくとって、聴かせ上手な演奏でした。 たっぷりとした情感をつけ、また躍動的でもあり、スポットライトを当てたような木管、まろやかな輝きで彩られた金管などなど、ちょっと間違うとクサクなるところを、巧く聴かせて見事でしたね。 素晴らしい演奏でした。

第1楽章、暖かな響きで情感を持った開始、凛としたフルート、ピッコロより躍動的な音楽の開始。 バブアゼさん、ここでも盛んに動いて振り幅の大きな音楽を演出しますが、響きの角を落として刺激的な響きではありません。 ホルンが速射砲のようにバリバリ吹いてもきちんと全体の中に納まっている。 パワフルなんだけれどとても聴かせ上手。 第2楽章、丁寧に表情をつけるバブアゼさんに応えて木管のソロ、そしてアンサンブルがとても素晴らしかったのが印象的でした。 第3楽章、ここでも有機的なアンサンブル、弦と管がよく絡み、抑揚もうまくつけて判りやすい演出。 アタッカで終楽章に入ると素敵な艶を持ったファンファーレで開始。 そしてじっくりと溜めて、中低弦をゆったりと進めて、十分な間合いをとって・・・、メリハリをつけて盛り上げてゆきます。 聴かせ上手ですね。 間違うとクサクなってしまうところを、全員一丸、真摯な演奏ながらワクワク感を持たせて、見事なフィナーレでした。 お腹いっぱい。

アンコールの前、スピーチでバブアゼさんが「楽しいプログラム」と言われていたので、今回は笑顔を交えながらオーケストラをリードされていたのでしょうね。 オケもそれによく応えていました。 すべての楽器の音が等価に鳴っているような、そんなとても密度の高い演奏を楽しませていただきました。 楽しみました。 ありがとうございました。


以下、未稿