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オーケストラ・ソノリテ 第36回定期演奏会

真正面から作品に対峙した演奏戻る


日時:2019年2月17日(日) 14:00開演(13:00開場)
場所:あましんアルカイックホール

曲目:シューベルト/「ロザムンデ」序曲
   シベリウス/交響曲第7番
   ブラームス/交響曲第1番
(アンコール)モーツァルト/ディヴェルティメント K.138 第2楽章

指揮:白谷 隆


白谷さんのしっかりとした指揮に導かれ、いずれの曲も真正面から作品に対峙した演奏で聴き応えありました。 白谷さんが振られた第31回定期演奏会の感想文に「オーソドックスに曲に向き合ってオーケストラを美しく響かせる演奏に徹していたように感じました」と書いていましたが、今回これに加えて押し出しの強さみたいなものも増したように感じました。 各曲の曲想をうまく描きながらも終始オーケストラ全体を鳴らしていたのが印象に残りました。

そのオケの鳴らし方ですが、オーケストラ全体を等価に鳴らしているように感じました。 白谷さんはホルン奏者でもあって、オーケストラの最上段よりオーケストラ全体を俯瞰されていたからかな、などと勝手に思ったりもしていますが、ソロの旋律を奏でる楽器を際立たせることや、あるパートに力を入れて特に強調させるようなことは無く、淡々と振っていらっしゃいます。 弦楽アンサンブルも、低弦の上に中音弦乗せて更に高音弦を歌わせる(弦楽奏者出身の指揮者に多いように思いますが)のではなく、低弦・中音弦・高音弦が掛け合いをやっているような感じかな(うまく言えませんが)。 常にオーケストラ全体を統率して均等に鳴らしているって感じでしょうか。

これが一番巧くはまっていたのがシベリウスの交響曲第7番と思います。 ちょっと難解で、緻密な音のパッチワークのような曲ですが、きちんと仕切って分かりやすく届けて下さいました。 常に落ち着いた打音のティムパニ、低音金管楽器の渋い響きも全面に出るのではなく全体を彩り、弦のアンサンブルは少々熱っぽくもまたウォーミーな響きでした。 分かりやすく整理した音楽を届けて下さいました。 そして神秘的で厳かなフィニッシュもたっぷりとさせて感動的でした。 ただ、観客席からの拍手がちょっと早かったかな・・・もうちょっと余韻に浸りたかったけれど・・・難しい曲だから、ここで曲が終わったのを知ってるぞ、とばかりの拍手と感じました。

観客席が一番沸いたは、やはりメインのブラームスの交響曲第1番。 一見淡々と曲を進めていました。 第1楽章終結部のホルンを強奏させたり、第2楽章も美しいソロ・ヴァイオリンでしたが、さえも特に際立たせることはありません。 常にオーケストラ全体で包み込むようにして、オケ全体が押し寄せてくる感じ。 終楽章のトロンボーンの厳かな響き、トランペットも突き抜けるのではなく全体の響きの中にうまく溶け込んでいました。 自然な高揚感に満ちていて、またキビキビとした運動性を感じさせた演奏は覇気に満ちていました。 これが客席を刺激したのではないかな。 各ソロもよかったけど全体の勝利みたいな感じ。

ロザムンデ序曲は、シューベルトの歌謡性を交えてキビキビと曲を進めていました。 颯爽として若々しい感じでしたね。 こちらも金管の響きをうまく散りばめたブレンドされたオーケストラ全体の若々しい響きが印象に残りました。

真正面から作品に対峙した演奏はいずれも聴き応えあって満足して会場を後にしました。


以下、未稿