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京都フィロムジカ管弦楽団 第45回定期演奏会

伸び伸びとよく鳴らした熱演戻る


日時:2019年6月16日(日) 14:00開演(13:00開場)
場所:大津市民会館・大ホール

曲目:ベルリオーズ/序曲「海賊」
   シューマン/交響曲第4番(1841年版〜初稿〜)
   ニールセン/交響曲第2番「四つの気質」

指揮:木下麻由加


ニールセン、音の密度の濃さが他とは違っていましたね。 ニールセンなど北欧音楽を研究されている木下さん、自家薬籠中の曲でしょうか。 オケもまた弦楽器の編成が 9-7-6-7-4 と小型ながらも、伸び伸びとよく鳴らした熱演でありました。

第1楽章冒頭、あれよあれよという快速で進行しましたが、オケの響きに芯と艶もあって、キレ味抜群の目が回るような見事な開始。 エネルギッシュな音楽が展開で引きづり込まれました。 指揮者とオケの自信の現れでしょう。 第2楽章は掴みどころのない曲調を、木下さんが身体全体を使ってうまくコントロール。 ファゴットやホルンも健闘していました。 第3楽章、重厚な響きに粘りも加えてシンフォニスト・ニールセンの面目躍如たる演奏。 素晴らしかった。 低音楽器の粘りに対して、高音弦は数が少なくて不利だったでしょうが、音量を上げてもヒステリックになることなく、常に艶やコクも感じさせる巧さが印象的でした。 終楽章、軽快にスタート、木下さんは細かなニュアンスつけながら駆けてゆき、ティムパニと弦との呼応、引き締まったブラスで盛り上げたあと、フィニッシュ前にはヴィオラと2ndヴァイオリンによる陰鬱な音楽。 このあと行進曲調としてキレのよい着地でした。 シンフォニスト・ニールセンを堪能しました。 これならアンコール無しも納得です。

これに先立って演奏されたシューマンの交響曲第4番(1841年版〜初稿〜)は、いくつか録音を持っていて、またよく聴く好きな曲であることもあって、少々辛口な印象。 前半の2つの楽章は、噛んで含めるような感じに思え、もうちょっとここで粘って欲しい・・・など思いつつ、さらさらっと進んでいった感じ。 後半の2つの楽章は、こなれてきたせいでしょうか、オケの響きに粘りも出てきたようです。 力強い第3楽章ではホルンがいい感じで割って入ったり、たっぷりとしたオケと引き締まったコントラバスの対比も良かったですね。 アタッカで終楽章にはじっくりと腰を据えて入り、力強く弾む主題。 そして軽やかに駆けてゆきますが、キレのよい高音弦を始めとして、弦パートの分離も良いのですが、全体の響きにくぐもったシューマンらしい雰囲気も漂ってきました。 力強いティムパニが入って堂々たるフィニッシュでした。 シューマンの交響曲ってきちんと整理されて演奏されると面白味半減、みたいに思っている当方には前2楽章は物足りなかった、と偉そうにすみません。

冒頭のベルリオーズの海賊が、オケの機能の高さを証明したような演奏。 ここも丁寧でよく纏まった演奏でした。 明るく元気に、どことなくディズニー音楽っぽくもあったりもして、よく纏まった巧い演奏でした。 が、それだけ、ってな感じもしましたが、オープニングの掴みは上々ってな感じに思いました。

何といってもニールセンを聴いてしまえば、前2曲は所詮「前座」の趣き無きにしも非ず、だったでしょうか。 それにしてもいずれも巧い演奏でしたね。 皆さんお疲れさまでした。


以下、未稿