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大阪市民管弦楽団 第90回定期演奏会

芳醇な響き、スケールの大きさも感じさせる戻る


日時:2019年9月23日(月・祝) 15:00開演(14:00開場)
場所:豊中市立文化芸術センター

曲目:モーツァルト/歌劇「魔笛」序曲
   ビゼー/歌劇「カルメン」第1組曲・第2組曲
   プロコフィエフ/交響曲第5番
   (アンコール)L.アンダーソン/セレナータ

指揮:中井章徳


いつものシンフォニーホールを出て、新しい豊中市立文化芸術センターでの演奏会。 いつもよりも芳醇な響きに思えたのは気のせいでしょうか。 カラフルなカルメン、パワフルなプロコフィエフ。 ともにしっかりとよく纏まった演奏ながらスケールの大きさも感じさせる出来に大いに満足しました。

2D-28、2階席中央でオーケストラを俯瞰できる良い席を引き換えていただきました。 オケの弦の編成は、通常配置で 13-10-9-9-6 だったでしょうか。 自由入場でオケの皆さんが練習を始めると嫌が上でも期待が高まりますね。

冒頭はモーツァルトの「魔笛」序曲、弦の分奏をしっかりと決めた恰幅の良い演奏。 ドンを響くティムパニをアクセントにした開始より、覇気を持って曲を進めてゆきました。 ファンファーレも明るめの響きでしっかりと決め、低弦のよく鳴る弦のアンサンブル。 管楽器との呼応もよかったですね。 そしてティムパニをドコドコと響かせ、弾力のあるサウンドで締めました。 上々の滑り出し、楽しくきかせていただきました。

管楽器メンバーを大幅に入れ替えてのビゼーのカルメン組曲。 お馴染みのナンバーだけにハードルも上がり気味に思えましたが、杞憂でした。 十分にカラフルでいながらも時に濃厚、時に端正、メリハリもつけたしっかりとしたサウンドで全10曲を描き分けて見事でした。
カラフルなサウンドに大太鼓の重低音を芯にし、流麗な流れによる濃厚な「前奏曲」、いきなりカルメンの世界に引きずり込まれました。 軽やかなトランペットとピッコロがチャーミングだった「衛兵の交代」。 チェロの深い響きと落ち着いたヴァイオリン、トランペットも巧かった「ハバネラ」。 ファゴットの滋味ある響きが魅力的だった「アルカラの竜騎兵」などなど、聴かせどころをしっかりと決め、全体のサウンドにメリハリがあって聴きごたえ充分。 お馴染みの旋律が次々に出て進んでゆくような感じで、あっという間に「闘牛士」、明るくしかも弾力のあるサウンドに熱気も込めた密度の濃い演奏で締めました。 変な表現ですが、お得感満載、といった感じに思えました。

20分間の休憩のあとは大曲プロコフィエフの交響曲第5番。 パワフルであるだけでなく時に濃厚なロマンティシズムも感じさせ、スケールを大きくとりつつも要所を締めたよく纏まった演奏に仕上がっていました。
第1楽章、やわらかな木管と低弦でゆったりと呼吸する開始、明るく響く高音弦も絡んで掴みはバッチリ。 大太鼓がドーンドーンと腹に響く音も印象的でした。 スピート上がって緊迫感を持たせたサウンドですが、中井さんはあくまでも流麗にロマンを漂わせるように進めていたようです。 スケールの大きなたっぷりとした演奏をスパッと切って落とした着地も見事でした。
第2楽章、リズミカルな弦の分奏がきちんと揃い、管楽器との連携もバッチリ。 各パートよく纏まってノリも良く、立体的なサウンドが見事でした。 そしてスピードアップ、聴かせ上手な演奏に参りました。
第3楽章、たっぷりとした弦アンサンブルに重量感があります。 木管入ってしなやかに、じっくりと構えた伸びのあるサウンドで全体を歌い上げてゆきました。 中井さん、時にスポットライトを当てたりもしますが、オケ全体をうまく纏めあげていましたね。
終楽章、パワフルながらよく纏まっていましたね。 ゴリ押しのような力みを押さえ、きっちり演奏しているのですが、強いハートを持った怒涛の演奏といっても良いと思いました。 強いて言えば、高音弦の数がちょっと少なかったように感じたのが残念かな(個人的な嗜好もありますけれど)。 緊迫感を持ってきっちりと盛り上げ、全体がよく纏まったエンディング。 大きな拍手に包まれてました。 お疲れさま。 と声をかけるような拍手でしたね。

アンコールはゴキゲンなサウンドに変身、くつろいだ気分にもさせてもらっての帰路となりました。 皆さんお疲れさまでした。 そしてご招待いただきありがとうございました。


以下、未稿