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オーマンディの「水上の音楽」

古き良きアメリカ(戻る

セルの「水上の音楽」も素晴らしかったけれど、このオーマンディによる「水上の音楽」もとても素晴らしい演奏ですね。 もう吃驚するほどです。 こちらもセル同様に大管弦楽用に編曲されたハーティ版を用いていますが、指揮者のオーマンディによる編曲も加わえられた演奏です。 いわばハーティ+オーマンディ版による演奏なんですが、やはり特徴は弦楽器がビロードのように豊かでかつ綺麗な(本当に綺麗という表現がぴったりくるような)演奏になっていることでしょう。 フィラデルフィア・サウンドって、古き良きアメリカっていう感じがするんですが、それはちょっと考え過ぎでしょうか。 おおらかで温かい気分になります。 また各ソロ楽器もとても巧いんですね。 それも単に個人が技術的に巧いというだけではなくってオケと一体化したソロの巧さが光っているんです。 まったく突出した感じがしない。 そして聴き進むにつれて、やはりオーケストラ音楽の基本は弦楽器なんだな、ということがよく分かるような演奏です。
第1曲目「アレグロ」は、柔らかい響きのホルンのあとビロードのような弦楽器が呼応してきて、おおこれがフィラデルフィア・サウンド・・・と唸らされます。 堂々としていながらも、終始柔らかさを保った演奏です。 第2曲目「アンダンテ・エスプレッシヴォ」はちょっと悲しい表情のオーボエに透明な弦楽器がからんできて表情豊かに歌いあげていきます。 とても綺麗な演奏ですね。 第3曲目「アリア」は、今度はちょっと暖かみのある弦楽合奏から優雅なオーボエが絡んでメロディを歌ったあと層を増した弦合奏がさらに優しく語り掛けてきます。 温かい気分にさせてくれるアリアです。 第4曲目「ブーレ」はビロードのような弦楽器の響きが軽快に、そして力強く曲を盛り上げていきます。 巧い合奏に舌をまくばかり。 第5曲目「ホーンパイプ」は木管楽器群の優しい響きが魅力的です。 終曲「アレグロ・デチーソ」は壮麗な開始です。 力は入っていますが、とても柔軟な響きになっていて全く堅さを感じさせないんですね。 トランペットも華麗な感じでが華美じゃない。 ティムパニも力が入っていても突出した感じはありません。 常にオケが一体となって均一に響きあっている・・・ これこそがオーマンディとフィラデルフィアの演奏の魅力なのでしょうね。 この一体感、本当に素晴らしい演奏です。
300円の7割引(90円)だから購入したレコードなんですけれど、これほどまでにオーケストラ音楽を堪能させてくれるとは思ってもみませんでした。