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マゼールのペルゴレージ「スターバト・マーテル」

美しくも格調高い音楽(戻る

ペルゴレージの「スターバト・マーテル」。 美しくも格調高い音楽に心洗われます。 このマゼールのLPをかけると、最初にこの曲を聴いたときの感動が今でもまだ蘇ってきます。

「スターバト・マーテル」とは、「悲しみの聖母」とか「御母はたたずむ」と訳され、十字架にかけられたイエス・キリストのもとでたたずむ聖母マリアの悲しみを歌った宗教曲。 弦楽合奏にソプラノとアルトのみの簡素な構成ですけど、かえって澄み切った美しさを醸し出しています。 宗教音楽というと退屈な音楽と思われがちですけれど、ペルゴレージの「スターバト・マーテル」、たぶん最初の1曲を聴けば、最後まで聴いてしまうのではないでしょうか。

ところで、このレコードは1979年にフィリップスから発売されていた「宗教音楽1300」シリーズの1枚です。 当時はまだ帯広の貧乏学生時代でしたから、このシリーズの印象は少なく、後年大阪の中古レコード店で何気なく買ったと記憶しています。 そしてこの後、ペルゴレージの名前のある録音を探していた時期がありましたけど、この「スターバト・マーテル」と「奥様女中」が抜きん出ているようですね。

さてこの演奏、やはり冒頭の「Stabat Mater dolorasa」の歌い出し、厳かで凛とした響きのなかにも柔らかさを感じさせるクリスタ・ルートヴィッヒの深い声とイヴリン・リアーの柔らかなソプラノ。 テーマからして悲痛な叫びの音楽ではあるのすけど、殊更にそれを強調することなく格調高く慈しみ深い音楽としているようです。 第4曲アルトのアリアは「奥様女中」にも似て、クリスタ・ルートヴィッヒの歌もちょっと貫禄があるかも。 でもドラマティックに過ぎず、才気溢れる若き俊英マゼールの棒がまた真摯ですね。 美しくも格調高い音楽に心洗われます。