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リンデ・コンソートのバッハ「農民カンタータ」「コーヒーカンタータ」

質素でほのぼのとした古楽器演奏(戻る


ブロックフレーテ奏者ハンス・マルティン・リンデが1972年に結成した古楽器グループのリンデ・コンソートによるバッハの世俗カンタータ。 ちっとも古楽器演奏らしくなくて、質素でほのぼのとした味わいが魅力的な演奏です。 このレコードのほかにもバッハの管弦楽組曲のレコードも買い求めましたが、若干速めのテンポ設定をとるところもあるけれど、全般的には同様なほのぼの系の演奏がお気に入りです。

これらのレコードが出た1984年ころに輸入盤で1,000円程度で購入したはずですが、リンデ・コンソートについては全く音沙汰を耳にしません。
「クラシック名盤大全」(音楽之友社)では、安田和信さんという方がよく推しておられて復活を望まれていますが、あとは喜多尾道冬さんがバッハの「音楽の捧げ物」でラインナップされている程度ですね。
同じブロックフレーテ奏者でもフランス・ブリュッヘンが力強い演奏をするのに対して、ハンス・マルティン・リンデが素朴な味わいを持ち味にしているように、それがそのままグループ演奏の分野にまで発展させたような感じでしょうか、ほっこりと暖かい演奏がお気に入ります。

古楽器を使っていても、恣意的にそれを強調したり、新しい解釈を押しつけてくるような演奏として翻弄されるようなところがありません。 正しくない表現かもしれませんが、クルト・レーデルが古楽器に出会っていたらこんな演奏をしていたのではないか、と思いながら聴いています。

ヴァイオリン3名、ビオラ、チェロ、コントラバス各1名が常設メンバーで、管楽器奏者はその都度集めてくるようなことがジャケットに書いてありますが、ここにで採り上げたバッハの世俗カンタータでは、ソプラノのローズマリー・ホフマンさんがとてもしみじみとして暖かい歌いっぷりが全体によくマッチしていますね。
コーヒーカンタータの場合、コーヒー好きの我まま娘ならば、もうちょっと愛嬌をもった可愛らしさがあったほうが似合っているのかもしれませんけれどもね。 農民カンタータではバスのグレゴリー・ラインハルトさん、こちらもとても暖かい味わい深い声で楽しませてくれます。

少ない弦楽器のせいもあり、すべてにわたって軽やかな明るさで、しかも深いバッハへの慈しみも感じさせる演奏です。 やはりどこかクルト・レーデルさんを思い出してしまいます。 やはりこんな演奏は現代的ではないのでCDでは復活しないのでしょうか。