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内田光子のモーツァルト/ピアノ協奏曲第22・23番

ウェットで滋味のある響き(戻る

1月27日はモーツァルト生誕250年の誕生日でしたね。
週始めの月曜の朝、会社へ行く用意をしながらNHK−TVのニュースをかけていたのですが、今週の主な予定のなかで、男性アナウンサーが「金曜日、27日はモーツァルトの誕生日です」と伝えていました。 モーツァルト生誕250年って、国民的な慶賀みたいですね。

モーツァルトは好きですけれど、以前ならこんな報道には、フン!、な〜んて思ってましたけれど、馬齢を重ねたせいでしょう、願わくばこれでもっとクラシック音楽ファンが増えてくれたならなぁ・・・とか、
ついこの前没後200年(1991年)をしたよなぁ〜なんて振り返ってみたり、月日の経つのは本当に早いものだよなぁ〜なんて思ってみたりもします。

個人的にはこのところ、内田光子(p)、ジェフー・テイト指揮イギリス室内管弦楽団によるピアノ協奏曲を楽しんでいます。 このコンビの演奏は全部はもっていませんけれど、CDでは 5/6番,13/14番,20/24番,21/26番の4枚を持っていて、これらをメモリプレーヤに入れて、通勤時に楽しんでいます。

実はこのコンビのはLPでも持っていて、こちらは 22/23番,24/25番,26/27番の組合せで3枚あります。 これが出ていた1987年当時、国内盤CDの定価は 3,200円でしたけど、LPは定価でも 2,000円だったのですね。 割引してくれるレコード店で買えば、1,750円くらいだったかしら。 また輸入盤(24,25番)のLPも 1,000円台で購入したはずです(でないと持ってません)。 当時から安ければ良い、そうでしたものね。

こんな前置きはともかく、演奏はいわずもがなのしっかりとしたものです。 ただし、内田さんのピアノは悦楽に富んでキラキラ輝くというのではなく、しっとりとモーツァルトを演奏しています。 どちらかというと暗い感じにも思えます。
これにひきかえ、ジェフリー・テイトの指揮するイギリス室内管弦楽団、管楽器がやや明るめに鳴っているようです。 派手ってことはないのですけどね。 ソロが明確に聴こえてくる感じかな。 このちょっと明るめの伴奏で、内田さんの演奏も陰にこもらない絶妙のバランスを保っているのではないでしょうか。 とにかく清新であって、とてもよく纏まった演奏だと思います。

22/23番、ともに第2楽章がいいですね。 なんていうのかな、しっとりと歌っていて、滋味あふれる感じがたまりません。 深く静かにモーツァルトの世界を表現しているような感じ。 うまく言えませんが、青白く光る炎が、時には赤みを増したり、また白く輝いたりと、幽玄の世界のような感じに思えます。 特に22番の第2楽章、聴けば聴くほどに味わい深い音楽です。

このような暖徐楽章に惹かれるようになったこともまた馬齢を重ねたせいでしょう。 以前なら、勢いで押すようなところで心躍らせていたのですけれど、このごろはアダージョやアンダンテの楽章をどのように演奏しているかとても気になります。 

とにかく内田光子さんのピアノ、繰り返しになりますけどしっとりしてますし、オケが少々華美に響く傾向がありますけど、滋味あるモーツァルトの響きを楽しめます。 最近あまり話題にならない録音ですけれど、国内盤CDでは後期のものが1,000円で出ているようです。 日本人の演奏したモーツァルト、もっともっと聴かれてもいい演奏だと思います。