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ヒューズのディーリアス/管弦楽曲集

瑞々しく美しいディーリアスの世界(戻る

夏の盛りも過ぎ、日に日に過ごしやすくなってきましたね。 今年の夏はとにかく暑すぎて音楽を聴く気力も失せてしまいがちでした。 やっとここにきて音楽にも集中できるようになりました。 ということで、夏を主題にしたディーリアスの管弦楽曲集です。 オウェイン・アーウェル・ヒューズ指揮フィルハーモニア管弦楽団の演奏。 爽やかでいいですよ。 もちろんディーリアスに必要なしっとり感もありますし、充実感もあって見事です。 バルビローリなどとは一味違った若々しさ、瑞々しさを感じる演奏で気に入っています。

このLPレコード、2000年頃にバークシャ・アウトレットから輸入したものです。 バークシャでは、数こそ少ないですけど、LPレコードも扱っています。 で、さっき検索したら今でも購入可能みたいですね。 価格は1.99ドル。 もちろん新品ですし、デジタル録音のDMMですから録音・盤質ともに問題ありません。 なお英国盤です。 お買い得だと思います。 もっとも生粋のアナログ・ファンならDMMはお気に召さないかもしれませんけれど・・・

ところでディーリアスというと、バルビローリ指揮によるテイチクの1,000円盤を真っ先に思い出します。 そして、解説を書かれていた評論家の三浦淳史さんも忘れてはなりません。 この三浦淳史さんの解説、ディーリアスではありませんでしたけど、1,000円盤でありながら譜例まで使ったものもあって、しかも素人が読んでも分かり易い内容はとても有難かった。 そして何よりも英国音楽への愛情が行間から溢れていました。 僕もまだ多感な年代だったし、大いに感化を受けました。 同じような人も多いのではないでしょうか。

さて、このレコードに話題を戻してヒューズという人、1942年ウェールズ生まれの英国人指揮者です。 王立音楽大学で学び、ボールト、ケンペ、ハイティンクに師事したそうです。 1980年からBBCウェールズ響の副指揮者、1987年からフィルハーモニア管の副指揮者となって、フィルハーモニア管とはR.V.ウィリアムズのロンドン交響曲やエルガーの序曲「コケイン」の録音もあるそうです。 自国の音楽には造詣が深いのでしょうね。 このディーリアスの録音を聴いても、表面の美しさの中に深い思い入れを感じます。

でも若い世代だからでしょうか(この録音が1988年だから45歳でしょうか)、思い入れが重苦しさにならず、瑞々しさや若々しさとして表現されているようです。 またオケも共感しているのか、自然体な演奏がとても好ましく感じます。 爽やかな「ブリッグの定期市」から始まり「夜明け前の歌」「楽園への道」、B面になってぐっと盛り上がる「夏の歌」「夏の庭園にて」「河の上の夏の夜」まで、夏にこだわった選曲も見事です。 美しいディーリアスの世界へといざなってくれます。 夏の盛りは過ぎたけれど、そんなちょうど今ころに聞くのがふさわしいアルバムではないでしょうか。 
なおCDもASVレーベルから出ているようです。 バークシャには無いようですけれど。