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パスキエ・トリオのモーツァルト/ディヴェルティメントKv563

永遠のモーツァルト(戻る

ここ暫く音楽を聴く気になれなかったのは何故だろう。 ようやくレコード・プレーヤにかけたのが(3週間ぶりのレコード鑑賞ですね)、このパスキエ・トリオによるモーツァルトの弦楽三重奏のディヴェルティメント変ホ長調Kv563。 上品によく歌う演奏が、身体の中に沁み込んでゆくようです。

このところの疲れがたまっていたせいでしょうか、休日になると、音楽を聴くよりも、ぐったりと横になっていることが多くありました。 たぶんに週末の呑みすぎが影響しているんですけど(それだけ平日のストレスが高い?)、それに長女の期末試験がありましたから土日もゆったりと音楽を聴いているような状況でもなかったんです(数学と社会を教えないといけません)。 何も考えず毎日のように音楽だけを聴いて楽しんでいられた学生時代や独身時代が夢のようですね。 歳もとりましたしね。 動作ひとつをとっても、よいしょ、って感じでないと動けなくて、「ああ、トシだなぁ」って思うのと同んなじぐあいで、音楽を聴くのもそんな感じになってきちゃいましたねぇ・・・ そんなこんなだけではないと思うけど、音楽から遠ざかっていました。

でもこんなときに聴くのは、やはりモーツァルトがよいですね。 先日のTV番組の内容はイマイチ(ある意味予想どおり)で、断片的にしか見ませんでしたけど、1/fゆらぎや高周波なんていう理屈はどうであれ、モーツァルトの音楽の魅力は永遠に変わることないでしょう。 一人でも多くの方がモーツァルトに興味を持ってもらえたのなら意義はあったと思っています。

でもしかし、実際にモーツァルトの曲ならどんな演奏でもいいかというと大間違いなことは、皆さん僕以上にご存知でしょう。 シンプルで快活なモーツァルトの演奏はとても難しくて、実演ではなかなか満足する演奏に出会うことがありません。 中途半端に技巧的な人(大半がこうだと思ってますけど)の演奏を聴くと退屈なんです。 かえって下手でも楽しんで演っているときのほうがモーツァルトのキラメキを多く感じて嬉しくなったり、逆に徹底的に技巧に徹して冷たいほどの演奏ならば、超モダンなモーツァルトを感じます。

さてこのパスキエ・トリオの演奏は、そんな超モダンではなく、前者の演奏です。 現在ならばもっと指の回る人はいっぱいいるでしょう。 でも、このような歌心にあふれた合奏はざらには聴けないのではないでしょうか。 ヴァイオリンをジャン、ヴィオラをピエール、チェロをエティエンヌのパスキエ3兄弟による演奏は、息もぴったりあって歌っています。 第1・3・6楽章のリズミックな演奏も素敵ですけれど、第2・4・5楽章の呼吸の長いフレーズでより真価を発揮しているのではないでしょうか。 1/fゆらぎかな? とにかく理屈っぽく聴くつもりはありません。 単純にいい演奏だな、と思えます。