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ミルシティンのブラームス&ブルッフ/ヴァイオリン協奏曲

技巧の冴え、凛とした響きの美しさ(戻る

ナタン・ミルシティンの純度の高い演奏が魅力的なレコードです。 凛とした響きと卓越した技巧により、これらロマンティックな協奏曲を甘ったるいものにせず、美しく聴かせます。 素晴らしい演奏ですね。 このところ、大曲を聴く気力が失せつつありますけど、気持ちをすっきりとさせてくれる1枚です。

ナタン・ミルシティン、1904年ロシアのオデッサ生まれで、18才でデビューののち1929年に渡米、アメリカに気化して活躍したヴァイオリニスト。 実のところ、ピアノ協奏曲に比して、ヴァイオリン協奏曲の録音ってあまり持っていません。 興味の主体も交響曲でしたしね、なかなかヴァイオリン協奏曲まで興味の範囲が拡がらなかったのかな。 ミルシティンの名前は知っていても、初めて買ったように思います(廉価CDで持っているかな?・・記憶にありませんが)

このレコード、ニュー・セラフィム・ベスト100 の緑色ジャケットの1枚。 このシリーズ、これまであまり興味なかったのですけれど、よく見るとなかなか良いラインナップが揃っていますね。 また中古でも美麗盤が多く、価格も投売りなので安くなってます。 これも 200円で投げ売られていたので、興味の範囲を広げるような感じで捕獲。 買い得ですから。

ブラームスのヴァイオリン協奏曲。 ヨッフムとの録音は知りませんが、ピンと張り詰めたような響きのキレの良さが気持ちいいですね。 決して冷たい感じじゃなく、透明感ある響きの良さに、力が漲ってます。 第1楽章のカデンツァなど豊穣でかつ透き通る響きに心奪われます。 第2楽章など滑らかでとろけるようながらも清廉な響きの芯を感じますし、第3楽章では冴え渡る美音と圧倒的な技巧。 オケも気迫がこもって素晴らしい演奏です。 ブラームスのヴァイオリン協奏曲ってあまり得意ではないのですけど、これは何度でも聴きたくなります。

ブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番。 個人的にはこちらのほうが好きかな。 とにかく美しい演奏ですね。 凛として香り高い第2楽章など惚れ惚れとします。 そしてスタリッシュに弾きこなしてゆく第3楽章もまた滑るよう。 ロマンティックなこの協奏曲を甘ったるいものにせず、純度の高い結晶のような響きで弾く魅力的な演奏です。 オケはちょっと型どおりかもしれませんけどね。 とにかく素敵な演奏です。

購入金額と内容には関係がないという典型的な1枚でした。 これだから中古廉価盤漁りは止められません。