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ファブリ世界名曲集14:ヘブラーによるモーツァルトのピアノ協奏曲第20番

渋く上質なモーツァルト(戻る


1972年頃、平凡社から出ていたステレオ25cmLP付き雑誌「ファブリ世界名曲集」のうちの1冊(モーツァルトV)。 クラシック音楽を聴き始めた中学生のころに少ない小遣いを迷いに迷って使って捕獲した1枚(680円)で、結局これを含めてこの本は4冊しか持っていない。 もっと欲しかったのだが、当時も(今も)貧乏なのでこれが限界。 当時はよく知らない演奏家が多かったが、さすがに吟味して捕獲しただけあって、手元の4枚はいずれもしっかりした演奏ばかり。 またいま振りかえってみると執筆陣もしっかりしている。 この号は海老沢敏氏が「音楽の都ウィーンの一匹狼」を寄せている。 どこかの古本屋で叩き売られていないだろうか...
さて、レコードの冒頭はカレル・シェイナ指揮チェコ・フィルによる「フィガロの結婚」序曲。 ターリッヒ時代から長くチェコ・フィルの指揮者だったシェイナの素朴さの中にも上質なチェコ・フィルらしさをよく出した素晴らしい演奏で、気分がうきうきしてくる。
メインのヘブラーによるモーツァルトのピアノ協奏曲は渋くとても落着いた演奏である。 派手さを抑えて、底光りするような感じ、渋いモーツァルトである。 カール・メレシュ指揮ウィーン交響楽団も長い序奏から20番の協奏曲はこのように渋くストイックでなけりゃ... という感じ。 とにかくこのレコードは中学生の頃に散々聴いたものだし、この曲はベートーヴェンも愛した曲だからこんな風に渋くしなくては... と完全に洗脳されてしまっている。 そんなことで冷静な判断はできないけれど、とにかく初心者には充分すぎるほどしっかりとしたモーツァルト演奏である。

なおこの協奏曲はCD化されている。 しかもバークシャなら$1.99で捕獲可能(#79、VOX:ADC8011 (26762))。 興味ある方はお試しあれ。 第19番の協奏曲もカップリングされている。 ただし1曲まるごと1トラックとなっているので(2曲だから2トラックしかないので)ちょっと戸惑いますけどね。