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サヴァリッシュ/VSOのブラームス交響曲第3/4番

躍動感、爽快感を感じさせる(戻る

今年も秋が深まってブラームスのシーズン。 昨年、サヴァリッシュ/ウィーン響による交響曲第1/2番のレコードを捕獲して聴き入っていたのですが、今年の7月に第3/4番のレコードも捕獲しました。 これで全がそろいました。 第3/4番でもオーソドックスで正攻法のアプローチだけれども、第3番は途切れることのない躍動感のある演奏、第4番はよく歌うとても熱っぽい演奏ですね。  若々しいサヴァリッシュさんの演奏、とても素晴らしいですね。

ユニヴェルソ・シリーズの1枚。 フォンタナ・シリーズの1,000円盤よりも前の1,200円盤のシリーズです。 確認できていませんが、マスタテープの劣化もさほど進んでいないとしたら、フォンタナ・シリーズよりも音が良いのかな、なんて思うのですが、果たしてどうでしょう。 いずれにしても詰め込みなんで録音レヴェルは低いのですが、けっこう腰のある音で再生されています。 なおジャケット、サヴァリッシュさんの連続写真が若々しいですね。 というか、サヴァリッシュさんというと今でもこのイメージが強いのですけれども、ほんと今はお年を召されてしまったという感じがしてしまいます。 仕方ないことですが。

さて音楽ですが、第3番が始まる前の無録音部分、冒頭の基本動機の管楽器の響きが刻まれています。 その前触れのような響きを耳してから、タイトに始まります(こおいうの懐かしいですね)。 急激に盛り上げたのをぐっと抑えて円やかに収めてゆき、しかも躍動感が途切れることのない気持ちのいい開始。 ぎゅっと締まった響きの中にスマートさを感じさせるのがサヴァリッシュさんらしいところでしょうか。 第3楽章は、やや情緒的な感じで伸びやかにしたあと、終楽章は重厚な開始。 これを徐々にテンポを上げながらぐいぐいと力強く進めます。 よく整った演奏ではあるんですけど、熱っぽい語りくちを聴かせてわくわくさせ、熱気が冷めないままの終結でした。

そして第4番、こちらも同傾向のよく整った演奏なのですが、各楽章とも歌っているような感じで進んでゆきますね。 第2楽章の冒頭のホルンのまろやかな響き、振幅の大きなピチカートなども美しくたっぷりと歌わせて、ほのぼのとした暖かさが魅力的です。 ウィーン情緒かしら。 そして第3・4楽章では、弾力を持たせて曲をぐいぐいと推し進めます。 終楽章などとても熱っぽい音楽。 まったく枯れたような印象を受けないのは、若々しいサヴァリッシュさんだからでしょうね。 ちょっと大づかみな印象もしますけど、これは録音の加減にもよるかもしれません。 音が固まりになって押し寄せてくるような感じ。 とにかく大変熱っぽい演奏として曲を閉じました。

今年はこんな熱い演奏を聴きながら、深まりゆく秋の一日を過ごすのもいいかもしれませんね。