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エッシェンバッハのモーツァルト「トルコ行進曲付き」

若者特有の澄んだ音楽(戻る

以前にエッシェンバッハの演奏するシューマンの「子供の情景」などのところでも書きましたが、子どもの時にピアノはおろか楽器なんぞ習ったことがないためにピアノ曲や歌曲はどうも苦手です。 それでも出張時に安いレコードがあると、値段に惹かれて買ってしまうのですが、これもその1枚です。 今は無きハンターで100円のダンボール箱に投げ込まれていたものを捕獲したものです。

モーツァルトのトルコ行進曲付きのソナタは、ピリスが日本コロムビアに入れた旧盤を愛聴しています。 これは1,300円の廉価CDで売られていたもので、我が長女の生誕記念で購入したものです。 清新な演奏で気に入っています。 あと長女が生まれた頃、NHK教育TVではワルター・クリーンのピアノ・レッスンが放映されていましたね。 ここでもこのトルコ行進曲が課題曲となっていたことを憶えています。 この記憶を頼りにクリーンのVOXのモーツァルトのソナタ全集を捕獲したのですが、ずいぶんとトルコ行進曲のイメージが違っていたことも、余計なことですが、思い出してしまいます。 とはいえ、耳馴染みの良い名曲であることについては誰も異存はないところでしょう。

さて、ここで演奏しているエッシェンバッハは、最近は北ドイツ放送交響楽団の指揮者として活躍しているようです。 このレコードを捕獲したころ、ヒューストン交響楽団の音楽監督としてブラームスの交響曲全集を指揮したCDを買ったのですが、考えすぎなのではと思える不思議な演奏を聴かせてくれたのが印象に残っていました。 とにかくちょっと変な意味での興味を持ってこのトルコ行進曲付きのレコードを捕獲して帰ったのですが・・・家に帰って針を下ろして吃驚しました。

純粋無垢と言っても良いほどの澄んだ音楽なんでしょう。 そして若者特有の研ぎ澄まされた感性をそのまま音楽にしたような感じさえ受けました。 これはピリスにも通じるものを感じるのですが、ここには神経質さはありませんし、ましてや技巧的な冷たさなんて微塵も感じさせません。 ゆったりとしたテンポで淡々と弾いているように思えるほど音楽が自然と呼吸しています。 音楽が自分の力で前へ先へと進んで行くようです。 何度聴いても本当に素晴らしい演奏です。 
なお余談ですが、このページを作るために聴きなおしていたら、ピアノ練習大嫌い少年の長男が側にやってきて「これ好き、もっと聴きたい」とアンコールがかかりました。 ゲゲゲの鬼太郎もなんとか弾けるかどうかの長男からアンコールを受けるとは思ってもみませんでした。 ま、それほど美しく人を魅了するような演奏であるってことでしょうね。