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カラヤン、マーラー/交響曲第6番「悲劇的」

壮麗なマーラーの世界(戻る

今年がカラヤンの生誕100年とのこと。 かつてはアンチ・カラヤン党であったけれど、今ではすっかりとカラヤンの魅力に参ってしまっている。
久しぶりに落ち着いた休日の午後、棚から取り出したカラヤン指揮ベルリンフィルによるマーラーの交響曲第6番、レコード盤に針を落とした瞬間より、パワフルでかつ磨き抜かれた響きに魅了される。 パワフルな演奏はよく耳にするけれど、パワフルでいても磨き抜かれた響きであるのがカラヤンの真骨頂であろう。 そして第3楽章の美しさもまた比類なくて、壮麗なマーラーの世界がここにある。

アンチ・カラヤンだったけれど、1987年のニューイヤー・コンサートあたりから徐々に方向修正していったのではないだろうか。 そして1989年のカラヤンの死、バーンスタインが亡くなったのが1990年。 そのちょっと後だったろう、会社の同僚より借りて読んだ「カラヤンvsバーンスタイン」というムック本でずいぶんと両者のイメージが変わったことを思い出す。

欧州の伝統的の上に君臨したカラヤン、アメリカといういわゆる新興国から伝統ある欧州に乗り込んだバーンスタイン。 一般には、バーンスタインが革新的で、カラヤンは保守的に思われがちだけれど、その実は常に伝統を乗り越えようとしていたカラヤンと、伝統に溶け込もうと努力したバーンスタインとの主張にうなずけるものがあった。

このマーラーの交響曲第6番を聴いていてもそう思う。
世間的に評価の高いバーンスタインのマーラーの演奏、すべてを聴いたわけではないが、個人的には面白いと思ったためしが、実は無かったりする。 またマーラー以外の演奏でもグラモフォンに録音された欧州時代のバーンスタインの録音を総じて面白いと思っていない。

話が横道にそれてしまった。 カラヤンのマーラーの演奏に話を戻すと、世間での評価は決して高いとは思えない。 しかし、カラヤンのマーラーへのアプローチは、ベルリンフィルという機能の高いオーケストラを駆使した響きを武器にし、それまでのマーラーの演奏イメージを超えようとしている革新的な匂いを感じるのである。 ま、かつてはこれを「カラヤン臭」などと呼んでいたわけなのだが・・

ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1975年1月20日、2月17〜20日、1977年2月18〜19日、3月7〜9日
ベルリン、フィルハーモニー