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オイストラフ/オーマンディのメンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲」

説得力のある艶やかなメンコン(戻る


ふっと気晴らしに会社の帰りに寄ったいつもの中古屋に外盤が安く出ていた。 外盤は高いのでいつもは手をださないのだけど、1枚 200や 500円とあってはやはりスケベ心が動くというもの。 で、数枚捕獲して帰ってきた。 ところでこのような録音があったのは知らなかった。 というのもソニーが廉価盤市場に参入するのが遅かったこともあったし、残念ながら当時はセルは冷たくオーマンディは甘くいと思い込んでで全く興味が無かったせいもありこのレーベル自体の知識が乏しいのである。 そんなこともあって、このオイストラフとオーマンディがどのようにこの曲を料理するのかも楽しみとして捕獲した。
500円のアメリカ盤であるが盤質は良い。 またモノラル録音ながらじつにシャープで深い響きがしたに驚いた。 日本のCBSソニーの廉価盤とは大違いである。 さてシャープな音による演奏はというと、これがまたオイストラフのヴァイオリンの艶を見事に表現している。 甘いが芯のきちんとしたさすがに巨匠然とした演奏である。 また何よりテクニックが素晴らしい。 まったくもって魅了された。 なおジャケット表紙をよく見ていると、上の方に小さく、VOILIN (AMATI) COURTESY AJEMIAN と書いてあった。 このアマティのヴァイオリンのせいもあるのだろうが、最初から最後まで艶やかな響きが全曲を支配している。 そしてオイストラフのヴァイオリンは切り返しの速さや間の取り方などどこをとってもテクニックが冴えわたり説得力が高い。 独壇場である。 オーマンディの指揮するオケが完全に添え物のような感じすらしてしまうが、こちらも明るく楽天的であり、オイストラフとよく合っているのはさすがである。 一歩間違うと甘ったるくて仕方なくなるのだろうが、さすがに両者ともに技ありでとにかく巧いなぁ... と納得させられた演奏であった。