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中央公論社、モーツァルト名曲全集第2巻

心安らぐひと時(戻る

1979年、中央公論社がLPレコード4枚組ボックスとして、年代順に作品を集め、全12巻として刊行した「モーツァルト名曲全集」。 中古屋で仕入れた第2巻を取り出してモーツァルト三昧。 
第2巻は 1773年〜1776年(モーツァルト17〜20歳)の作品を集めたもので、器楽曲、室内楽、交響曲、ピアノ協奏曲がバランスよく入っていて楽しめます。 レコードはフィリップス製で、フィリップスお馴染みの奏者たち、ヘブラー、グリュミオー、クリップス指揮コンセルトヘボウ管弦楽による名演が楽しめるのもまた嬉しいところです。

2001〜2年、中古レコードの再収集を始めた頃にはボックスものと呼ばれるレコードにもよく手を出していました。 これは今は無き数寄屋橋ハンターで捕獲したものでしょうか。 今では置き場が無くなったこともありますが、重いのを我慢して持ち帰っても、2階の床が抜けて子供が死んだらどうする、なんて言われてからは敬遠。 今では置き場もなくなってしまったので増える要素はなくなってしまいました。 全集を集めてみたいのですけれど。

ところでこの第2巻、なかなかのラインナップです。

【レコード1】
  弦楽四重奏曲 K.168、K.173 :イタリア弦楽四重奏団
  弦楽五重奏曲 K.174 :グリュミオー五重奏団

【レコード2】
  ピアノ協奏曲第5番 K.175 :ヘブラー(p),ガリエラ/ロンドン響
  交響曲第25番ト短調 K.183 :クリップス/コンセルトヘボウ管

【レコード3】
  交響曲第29番イ長調 K.201 :クリップス/コンセルトヘボウ管
  ピアノソナタ K.280、K.283 :ヘブラー(p)

【レコード4】
  ヴァイオリン協奏曲第3番 K.216 :グリュミオー(vn),デイヴィス/ロンドン響
  ピアノ協奏曲第8番 K.246 :ヘブラー(p),ガリエラ/ロンドン響

個人的にはクリップスによる交響曲とヘブラーのピアノ・ソナタが聴けるのが嬉しいところ。 第25番の覇気を見せながらも丁寧に抑えこんだ表現、まさに珠玉の演奏ではないでしょうか。 ヘブラーのピアノは柔らかなタッチが何より魅力的。 K.283のソナタの暖かな眼差しが注がれた演奏など心安らぎます。 グリュミオーのヴァイオリンの美音なども含め、今どきちょっと流行らないタイプの演奏かもしれませんね。

1枚づづレコードをターンテーブルに乗せて音楽を聴き、約20分ちょっとで盤面をひっくり返す。 この時間が自分の音楽鑑賞にはちょうど良い時間です。 またこの全集では、普段あまり聴くことのない室内楽、ピアノソナタや弦楽四重奏曲や五重奏曲も交えて聴け、暖かなアナログ・レコードの音の魅力が存分に味わえます。 そして何よりターンテーブルのレコードをひっくり返し、慎重にアームを降ろす、この儀式にも似た所作もまた音楽鑑賞の一部として身に染み込んでいることもあり、心安らぐひと時を味わっている秋の午後です。