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レナード・バーンスタイン、マーラー/交響曲第4番

多彩な管弦楽、彫りの深い演奏(戻る

いわずものがなの名盤、レリ・グリスト(S)が独唱するマーラーの交響曲第4番。 ですが、CDで捕獲した10数年前、この演奏にはピンときませんでした。 後年DGより出されたレニーの録音よりも、ニューユーク・フィル時代のCBSへの録音を好んでいるのですが、彼のマーラーはどうも好きになれなった。 マーラーはとても好きな作曲家ですけれど、何故か良さが感じられなかった。 でもこのレコードにより、それは氷解しました。

写真でお分かりのとおりジャケット右肩の黄色いシール、レコファン渋谷BEAM店の100円投売り品です。 ダンボール箱にジャンルを問わず無造作に詰め込まれた大量レコード。 中には大きく破れたジャケット、キズだらけのレコード盤がこぼれ出る、ゴミ箱同然のダンボール箱のなかからの救出品。

このレコードも、時折スクラッチ・ノイズが入ったりもしますけれど、第1楽章のピーク、トランペット(第5番第1楽章冒頭のファンファーレ)が入る直前の盛り上がり方や、第2楽章ではヴィオラがくっきりと浮き上がっていたり、多彩な管弦楽を駆使しているのが聴き取れます。 彫りの深い演奏で、生々しいほどの躍動感もまた感じられます。 第4楽章のレリ・グリストの歌唱もまた可憐さが際立っている感じがするのは、単にこれまで持っていた国内盤CDの音質問題だったのかもしれませんね。

なおこのレコードは、マーラー生誕100年祭の行われた1960年、またこの年はマーラーがニューヨーク・フィル常任になった50周年として、ニューヨーク・フィルの記念事業の一環で企画・録音されたものとのこと(訳:岡俊雄 (c)61.11 価格 2,000円)。 ということは、今年マーラー生誕150年、NYP常任100周年。 自分がクラシック音楽を聴き始めた頃もまた随分と遠くなってしまった感があります。 そして、いまだにCDではなくレコードを愛聴し、色々な発見をし、想像を膨らませているなんて、時代遅れもはなはだしいですね。