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カラヤン、バルトーク/弦楽器・打楽器とチェレスタのための音楽

精気漲る演奏にノックアウト(戻る

バルトークの弦楽器・打楽器とチェレスタのための音楽は、フリッツ・ライナー指揮シカゴ交響楽団による、筋肉というか、余計な脂肪分を削ぎ落としたような演奏に洗脳されてました。 しかし、カラヤン指揮ベルリンフィルによるこの演奏は、グラマラスな響き、妖艶な感じもさせて、素晴らしいですね。 排除するようなライナーの音楽ではなく、音楽に惹き込まれてしまうような感じです。

このレコードは、EMI原盤による日本コロムビアの国内初期盤。 著作権表示から類推すると1962年8月発売のようです(1960年録音)。 インターネットで検索すると、ドイツ・グラモフォンに録音されたものが多くヒットしますが(1969年録音)、こちらを聴いた記憶がないので比較できませんけれど、古い録音のレコードながら、ステレオでかつ音質もよく、十二分に鑑賞に堪えるものです。

そしてこのレコードもまた右肩に黄色いシールが貼ってあることでお分かりのとおり、レコファン渋谷BEAM店のダンボール箱に捨てられたような100円の投売り品。 先のバーンスタインのマーラーとともに2008年10月に捕獲しました。 いわゆる救出品で、その救出という言葉どおりの素晴らしい演奏でした。

特に第1、2楽章における緊張感。 後年のベルリンフィルとの一連の演奏から聴かれる余裕をもった響きとは一味違った荒々しさ、ささくれ立ったような激しさが前面に出ているようです。 凄み、といっても良いかもしれません。 それでいて、単に怖いだけの演奏とはなってはおらず、当然のことながら管楽器を加えていない演奏なのに、第3、4楽章などで感じさせる奥行きの深さ、磨かれた響きの厚さも感じられてグラマラス。 さすが若きカラヤンといった感じ。 1970年頃までのカラヤンらしい精気漲る演奏に完全にノックアウト。