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アラン・ホヴァネス/マニフィカト

現代宗教音楽の名曲?(戻る

このところ17-18世紀の宗教音楽を立て続けに聴いているけれど、2000年に亡くなったアルメニア系米国人作曲家アラン・ホヴァネスによる宗教音楽「マニフィカト」もまた心休まる逸品です。

マニフィカト(Magnificat)とは、キリスト教聖歌のひとつですが、詳細はウィキペディアに詳しく書かれているので省略。 なおここに記載されたラテン語のテキストによると、ホヴァネス作曲のマニフィカトも原文に忠実に曲をつけていますね。 ただし終曲にグローリア(Gloria Patri)と第9曲目に何と読むのだろう Esurientes implevit bonis という部分が追加されています。

このレコード、ポセイドン・ソサエティという所謂私家版でしょう、バークシャ・アウトレットで個人輸入をやっていた1998年頃に捕獲しました。 この他にも3枚ほど持っていますが、このマニフィカトが一番のお気に入り。 違う演奏者によるCDも持っていますので、ホヴァネスの作曲した中では有名な曲なのかもしれません。

さてその曲はいつもながらのホヴァネス節が満載。 弦楽器の激しい動きによるドロドロドロ・・・と響く導入曲の冒頭を越えるとトロンボーン、ホルン、そしてトランペットのロングトーンによる旋律が心地よく流れ、やはりヒーリング・ミュージックのようで、癒されます。

第2曲のマニフィカトは合唱で力強く歌われますけど、ユニゾンで伸びやか。 各パートが旋律を歌いまわしてゆきますが、平明ですね。 1958年の作曲だそうで、現代音楽とは思えない感じ。 17世紀の宗教曲といっても、そうかな、なんて思えるんじゃないかな。

4人の歌手と合唱団とオーケストラによるマニフィカト作品157。 時に例のドロドロドロ・・・という響く弦楽器の伴奏が顔を見せたりもしますが、全曲で27分間、最後はグローリアの力強い合唱のあと、やはり柔らかなトランペットのロングトーンによる旋律、グローリアと歌いまわしつつ静かなクライマックス形成。 ちょっと神秘的な雰囲気も漂わせたいい曲だと思います。 どこかのアマオケで演奏してくれないでしょうか。