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リンデンバークのブラームス交響曲第4番

剛直な響きで充実したブラ4(戻る


リンデンバークのブラームスの交響曲第4番もまた第1番の交響曲と同じくソリッドに響く演奏である。 やや音楽に潤いは欠けるが、非常に充実した演奏内容であり、現代的でモダンな演奏であった。
第1楽章冒頭の弦による第1主題はややあっさりと小気味良く始また。 しかし曲が進むにつれて重厚さが増してゆく。 それも第1番の交響曲と同様に堅くソリッドに内向きに響いて、重厚ではあるがもたれることはない。 ただティムパニの音だけが重々しく、シャープさに欠けるきらいはあるが、なかなかに強烈な盛りあがりがある。 第2楽章はちょっと控えめだろうか、序奏のホルンとオーボエの響きも媚びを売ることはなく、淡々とフリギア旋法に基づく主題へと繋ぎ、感情を排したかのように曲が進行する。 弦のピッチカートもやや杓子定規的でノスタルジィやメランコリックさを感じさせない。 再現部前の盛りあがりは力強いが、ホルンの強奏はちょっと音像が遠い。 弦楽器は余計な粘りを入れずにぐっと盛りあがってさらりと流してこの楽章を閉じた、そんな感じ。 しかし、盤をひっくり返すと、音楽も一転した。 怒涛のような第3楽章が始まり、これまで音を整理していたのがウソのように音がダンゴに近い状態で襲いかかってくる。 弦楽器もこれまでになく重い音である。 全体の音のボリュームが2割ほど上がったような感じさえした。 これまでとは違って感情をあらわにしたかのようで、聴いているほうも熱くなってくる。 おまけにこの楽章の終結部のトランペットが甲高い音で突き抜けて響くのが面白かった。 しかし第4楽章はまた一転して、ごくゆっくりと主題が提示された。 そして感情を排したかのようにまた淡々とパッサカリアの楽章を運めていくのだが、これはコーダにむけての対比だろう。 第30変奏に至ってまたもや熱くなった。 ティムパニと低弦の音が第1楽章とは違って剛直に響き、ラッパは少々甲高い響きで煽りをかけるなど凄まじいほどである。 そして力強くこの曲を閉じた。
第1番の交響曲に比べて開放的であるように思ったのだが、やはり音楽には粘り気が少なく、しごくあっさりとして音離れがいい演奏であった。 エネルギッシュというのには脂身が少ない感じがする演奏ではあるのだが、非常に聴き応えのするブラ4である。 第2・3番も発掘して聴いてみたい。そんな気になさせる素晴らしい演奏であった