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マルティノン/シカゴ響のビゼー交響曲第1番

スッキリしっかりとした快演(戻る

ジャン・マルティノン、不遇なシカゴ交響楽団時代の録音です。 後のショルティ、前のライナー時代と比較してしまって、この時代の録音には食指が伸びなかったのですけど、洗練されたアンサンブルによる溌剌とした音楽に考えが変わりました。 とても素敵ですね。 スッキリとして、しかもしっかりとした演奏にワクワクします。

このRCAグランプリ1000シリーズのレコードが出た1973年、まだマルティノンは生きていたんですよね(1976年没)。 フランス国立放送管弦楽団を振って、カラフルな色彩感あふれたレコードがリリースされていました(FM放送で聴く限りですが)。 
一方シカゴ交響楽団は、ショルティの指揮でパワフルな音楽をリリースしていて、このマルティノンとシカゴ響を組み合わせた演奏なんて、ミスマッチ、と思ってました。 また、雑誌などでもシカゴ響時代の評判は良くなかった・・・なんてこともを知るようになっていましたしね(自分の耳よりも雑誌の評価が優先していた時代です)。
それから30年以上たち、久しぶりに巡り合ったこのレコード。 ようやく、どんなのかな〜 なんていう興味を抱き、御茶ノ水ディスクユニオンより持ち帰りました。

あっそく針を降ろし・・・ またもや今までの不覚を思い知りました。 
聴いてまず思ったのは、やはりオケの精度が高さでしょうか。 当たり前のことなんですが、ピタっと揃っているオケの響きってホント気持ちいいですね。 しかもこれをパワフルな方向には持っていかず、繊細なニュアンスを伝える方向で発揮させている。 これがマルティノン流ですかね。 

でも時にパワーが勝手に漲るのか、押し出しの強いを音も聞かせ、やっぱりシカゴ響やな、なんて思えてほくそえんでしまいますし、第1楽章のオーボエやホルンなど、少々生真面目な感じもさせますけれど、軽快かつしっかりとした演奏という印象。 
あまりに気持ちのいい演奏に、これまでの呪縛から完全に解き放たれ、すっかり気に入ってしまいました。 なんか、遅すぎですけどね。

なおカプリングされている「真夏の夜の夢」の演奏も同傾向ですけど、よりパワーを感じさせる方向に向いているようですね。 快活な音楽の流れで進めてゆきます。 なかなか素敵な演奏ですね。
とにかく、これからマルティノンがシカゴ響を振ったレコードは「買い」ですね。