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メータ/LAPOのR.シュトラウス「ツァラトゥストラはかく語りき」

躍動感と色気(戻る

やはりメータの演奏はロス・フィル時代が面白いですね。 デッカのグラマラスな録音にも助けられているかもしれませんが、このツァラトゥストラも低域に腰のある録音ともあいまって、とても面白く聴けました。
このところ、夏バテというよりも、サイト更新自体に興味を失いつつあったのですが、久しぶりに記事を書いてみたい、と思える演奏のレコードでした。 この時代(1970年前後)の推進力のなのでしょうか、オーケストラに躍動感や色気が感じられて、聴いていると何故か元気も沸いてくる演奏ですね。

1970年代始めにクラシック音楽の洗礼を受けた僕と同世代のクラシック音楽ファンの方々にとって、メータ/ロスフィルの演奏はとても注目度の高いものでしたよね。 いつもながらレギュラー盤のレコードは買えなかったけれど、週刊FM誌などでジャケットには馴染んでいたので、このジャケットも中古レコード店ですぐに分かりました。 そんな風にして今頃になって集めていたりします(といっても今年はほとんど中古LPもCDも買ってませんけれど)。

以前も書きましたけれど「ツァラトゥストラはかく語りき」という曲自体に興味がなかったので、当時の思い出はありません。 貧乏で簡単にレコードは買えなかったので、まずはFM放送やTV放送で聴いて曲を知ってから買うというパターンがもっぱらでしたし、映画『2001年宇宙の旅』で使用された冒頭は有名だったけれど、それ以外はオマケみたいに思えて、なんか退屈な曲だなぁ、なんて思っていたものです。 ようやくこの年齢になってすべて聴きとおすことができ、この曲の面白さも分かってきたようです。

もっとも当時使っていた家具調のステレオによるFM放送では、冒頭のオルガンによるドロドロ・・・といった響きなどうまく再現できなかっただろうし、今ではシンフォニーホールでのパイプオルガンの実体験を何度も経験しているので、スピーカから流れるドロドロ・・っという響きに身体も反応しているように思います。 デッカの録音もうまくオルガンの地響きのようなのをうまく捕らえていて、アナログの優秀録音でしょうね。 

それはともかく、冒頭にも書いたとおり、躍動感や色気を感じさせる後期ロマン派らしさをたっぷりと含んだ演奏がとにかく面白い。 後年ニューヨークフィルと再録したものは未聴ですが、こちらはスッキリとしているらしくて、ちょっと聴いてみたくもありますけど、でも、この艶っぽさは捨てがたい感じがしますけどね、どうだろう。

なお、今では同じくロスフィルを振った「英雄の生涯」とこの「ツァラトゥストラはかく語りき」が1枚にカプリングされて1,000円盤CDなっているようです。 こちらのほうが絶対にお買い得ですよね。 収録時間と金額、1分あたりいくら・・そんな計算を中学時代にやってレコードを買っていたものでした。