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セルのモーツァルト交響曲第40番、第39番

意外と優雅で豊かな色彩感(戻る

愛知で21世紀最初の万国博覧会が開催されました。 でも万博というと、1970年の大阪万博を思い出してしまう世代なので、あれこれと比較して考えてしまってイマイチ興味が沸かないんです(すみません)。

ところであの当時、万博記念の演奏会として多数のオケが来日公演しました。 当時まだクラシック音楽には興味なかったのですけど、会場内のポスターだったでしょうか、海外のオケに混じって、大阪フィルや京都市交響楽団の公演があったことを覚えています。 それから2年ほど経ち、ようやくクラシック音楽に興味を持ったとき、来日直前に亡くなったバルビローリ、直後に亡くなったセルのことなどを「えっ〜」て思ったものです。

そしてこのレコードのジャケット写真、CD化されたものでも同じ写真を使っていますけれど、大阪フェスティヴァルホールです。 ステージ中央奥に大阪万博のシンボルマーク(桜のマーク)が映っています。 これが懐かしいので、3年ほど前に今は無き数寄屋橋ハンターで300円で買ったレコードです。  来日公演の記録盤ではなく、スタジオ録音盤ですけれど、優雅で豊かな色彩感を感じさせるモーツァルトですね、意外でした。

第40番の交響曲。 よく聴くと、第1楽章の有名な主題、その終わり方が微妙に変化しているのがロマンティックです。 スキッとした表現なのですけれど、ここを微妙に長く伸ばすことにより、清潔な色気のようなものを漂わせているみたい。 また第4楽章では、精妙なアンサンブルが重ね合わされて充実した熱い音楽。 オケの巧さは言うべきもがなですね。 1967年8月25日、ロンドン録音、プロデューサ:ポール・マイヤースと書かれています。

第39番の交響曲。 豪勢でかつしなやかなアンサンブルが極上、色彩感があります。 終楽章ではホルンがちょっとバリバリっと吹いているし、トランペットがちょっとカン高い響き。 ピストン式のトランペットなのでしょうね。 華やかな音楽として幕を閉じます。 こちらは1960年1月8,10日,3月11日、クリーヴランド録音、プロデューサ:アンドリュー・サガンと書かれています。

実を言うとセルの第40番の演奏は大嫌いでした。
クラシック音楽を聴き始めた頃だからやはり1972年頃。 この第40番がFM放送で流れることを知り、期待して耳にしたのですけれど・・・ 室内楽的に小さく纏まった演奏に何故だかすごく裏切られた気持ちになりました。 味もそっけもないモーツァルト、そんな印象。 聴いていたスレテオの性能も良くなかったし、なんせFM放送ですからね、ギスギスした感じに聴こえたのだと思います。 それに、セル=完全主義者=冷たい演奏、そんな公式も既に意識の下にあったのでしょう。 今、そんな時代の取り戻しをやっています。