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コレギウム・アウレウムのJ.S.バッハ管弦楽組曲

優雅で爽やかな演奏(戻る

古楽器演奏ブームの火付け役になったコレギウム・アウレウム合奏団のよるバッハの管弦楽組曲全集。 古楽器演奏とはいえ、ピィとかキィとか鳴ったりせず、やや大時代的なロマンティシズムも感じさせて、優雅で爽やかな演奏です。 いつもながら、音楽が柔軟で活き活きとしていて楽しめます。 

1969年録音、ディスコフィル大賞受賞とレコードの帯に書かれています。 この当時(といっても僕がクラシック音楽を聴き始めたのは1972年からですが)、古楽器による演奏はまだ珍しく、コレギウム・アウレウム合奏団の新譜はいつも大きな話題になっていました。 来日公演もし、人気もあった団体なのに(会社の元同僚がこのときのチラシを持っていました)、今ではほとんど忘れ去られた存在なのが残念です。 
もともと録音用の団体ですからね、どんな経緯があったのか知りませんが、新しい録音が出なくなったのでは商業的には「用なし」なんでしょう。 採り上げられることが少ないのは当然かもしれませんけれど、残された録音まで「用なし」なんて思えないのですがね・・・

そんな思いから、今でも中古レコード屋でコレギウム・アウレウムのレコードを見つけたら買い集めています。 これは御茶ノ水ディスクユニオンで見つけたコレギウム・アウレウム1500シリーズ限定プレスのもの(1978年製みたい)。 帯付き、2枚組みのダブル・ジャケットによる美麗盤です。 解説は服部幸三さん、管弦楽組曲の成立について詳細が書かれています。 

その演奏ですが、いずれの曲も陰影が豊かで、柔らかな光彩を放って活き活きとした演奏です。 なかでも、第1番と第3番がとくに素晴らしいと思います。

第1番、柔らかな光が交錯するような色彩感のある演奏ですね。 2本のオーボエとファゴットのトリオ、それと弦楽器がそれぞれに対峙しながら進みますが、ファゴットの響きがユーモラスな感じもし、なんとなく気分が明るくなるようです。 キルヒハイムのフッガー家の居城「糸杉の間」での録音も素晴らしく、文字通りそれも功を奏しているように感じます。 

第3番、冒頭の序曲の重厚さと、それに続くアリアのしっとりした美しい演奏が印象的。 ともに柔らかな響きを聴かせながら、低弦がしっかりと全体を支えるドイツ音楽らしい構成感も感じさせます。 耳に馴染んだ音楽ながら、新鮮な響きなのはもちろんのことですが、余裕も感じさせる優雅さをも兼ね備えた演奏に落着いて聴き進んでゆけます。

時にやや大時代的なロマンティシズムのようなものを感じたりしますけど、全体として優雅でかつ爽やかな演奏にわくわくしどおしです。