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1000円盤による交響曲全集

レコード芸術1973年6月号は、廉価盤(当時の呼称では1000円盤)ファンのバイブルともいえるものです。 この中から「特集1000円盤のすべて」において門馬直美さん執筆による「1000円盤による交響曲全集」で取り上げられているレコードをここにリストアップしました。 僕と同年代に多くいるであろう1000円盤でクラシック音楽の魅力を知った方々に懐かしがっていただければ幸いです。

ハイドン モーツァルト ベートーヴェン シューベルト メンデルスゾーン シューマン ブラームス ブルックナー
マーラー チャイコフスキー ドヴォルザーク シベリウス ショスタコーヴィッチ プロコフィエフ フランスの作曲家たち
               
ハ イ ド ン
曲目 演奏者 番号 門馬さんのコメント
第100番「軍隊」 ウェルデッケ/ウィーン国立歌劇場管 GT1007 なかなか格調の高い演奏で、ニュアンスも豊かである
第101番「時計」
第104番「ロンドン」
第100番「軍隊」 パウムガルトナー/モーツァルテウム管 MS1103 オケがいくらか弱体だが、線の太さを失っていない
第102番「時計」
第103番「時計」
第94番「驚愕」 フィエルシュタート/オスロフィル RGC1061 いくらか固さののこる鋭角的な演奏
モーツァルト交響曲第40番との組み合わせ
モ ー ツ ァ ル ト
第35番「ハフナー」 クーベリック/ウィーンフィル AA5008 てらいのない率直さに好感が持てるが、ワルターや最近のベームのものに親しんでいる人には物足りないだろう
第36番「リンツ」
第41番「ジュピター」
第38番「プラハ」 カイルベルト/バンベルグ響 GT1053 どっしりとした量感と気取らない素朴さがあるのが特徴、第39番あたりがもっとも聴き甲斐がある
第39番
第40番
第36番「リンツ」 ワルター/ニューヨークフィル SOCF122 コロムビア響のときよりも若く精力的な面があり、オーケストラもいい。ワルター独特のしなやかな表情がいたるところにきかれるが、録音の古さが気になる人もいるだろう
第39番
第35番「ハフナー」 SOCF123
第28番
第40番 SOCF121
第41番「ジュピター」
第25番 SOCF124
第29番
ベ ー ト ー ヴ ェ ン
第1番 クリュイタンス/ベルリンフィル AA5061 つねに気品のよさを失わず、また優雅さをもっている。第2番は傑作であり、第1番も引き締まった演奏になっている
第2番
第3番「英雄」 ワルター/ニューヨークフィル SOCF103 録音は古いがスケールが大きく強い迫力をもっている
ケンペ/ベルリンフィル AA5004 (ワルターに対する補欠)
第4番 コンビチュニー/ゲヴァントハウス管 FG19 古い伝統を感じさせる演奏で格調をもっている。わざとらしい気取ったところがないのもいい
第5番「運命」
第6番「田園」 シューリヒト/パリ音楽院管 EAB5003 こってりした味付けのない、さわやかなもの
ワルター/フィラデルフィア管 SOCF105 (シューリヒトの対抗盤)
第7番 カイルベルト/ベルリンフィル GT1056 いかにもドイツ的な演奏。オーケストラの水準もあって第7番のほうが出来がよく、重戦車のような風格がある
フィデリオ序曲付き(バンベルグ響)
第8番 カイルベルト/ハンブルグ国立フィル
第9番「合唱つき」 ベーム/ウィーン響 FG9 かなり以前の録音だが、歌手陣が充実しているし、いかにもベームらしい端正さをみせる
コンビチュニー/ゲヴァントハウス管 FG22 (候補)
フリッチャイ/ベルリンフィル MH5006 (候補)
クリュイタンス/ベルリンフィル AA5005 (候補)堂々としているし声楽がしっかりし、かつて評判になったレコード
ワルター/ニューヨークフィル SOCF107 (候補)
シ ュ ー ベ ル ト
第5番 ワルター/コロムビア響 SOCF108 ロザムンデから序曲・舞踏音楽も収めたもので利用価値は高い
第8番「未完成」 カイルベルト/バンベルグ響 GT1052 ベートーヴェン「運命」、モーツァルト「ジュピター」と組み合わせたもの。演奏面ではもっとウィーン的な情緒の濃いものもあるだろう
第9番「グレート」 ワルター/ニューヨークフィル SOCF109 柔和な表情をたたえていて、この指揮者のモットーである「ほほえみを忘れず」といった主義を音楽にみせる
ヨッフム/バイエルン放送響 MH5031 がっちりしていて、温和だが、男性的魅力ももっている
メ ン デ ル ス ゾ ー ン
第3番「スコットランド」 ミュンシュ/ボストン響 RGC1085 「スコットランド」「イタリア」なら1枚で片付いてしまうので「宗教改革」も加えるとこの2枚で間に合う。演奏は上の部類
第4番「イタリア」 ミュンシュ/ボストン響 RGC1086
第5番「宗教改革」
第3番「スコットランド」 マーク/ロンドン響 GT1085〜6 「宗教改革」は不要ならこちら。マークの音楽は若々しくきびきびしていて気持ちがいい。ポピュラリティからいえばこちらを選ぶべき
2枚組の1枚には「真夏の夜の夢」の音楽や「フィンガルの洞窟」序曲その他がショルティ/イスラエルフィルで収録。
第4番「イタリア」
シ ュ ー マ ン
第1番「春」 ボールド/ロンドンフィル UDL3065 いかにもイギリス紳士であって、いわゆるドイツ的な腰の強さやロマン的な詩情に不足がちだが、整った点で評価されていい
第2番
第3番「ライン」 ボールド/ロンドンフィル UDL3067
第4番
ブ ラ ー ム ス
第1番 ワルター/ニューヨークフィル SOCF131 録音が古いが音楽の味わいは深い。ワルターらしいしなやかさと毅然としたところがある
「ハイドンの主題による変奏曲」(SOCF133)「ハンガリア舞曲第1・3・10・17番」(SOCF132)もきくことができる
第2番 SOCF132
第3番 SOCF133
第4番 SOCF134
第1番 ケンペ/ベルリンフィル AA5006 ケンペは日本でこそ地味な存在だがドイツでは相当の人気を得ている指揮者で、ときには線の弱さを感じさせることもあるが、その音楽は歌っているし、余韻ももっている
第2番 サヴァリッシュ/ウィーン響 FG74 知的なまとまりを感じさせると同時に躍動感がある
ヘイネスの歌う「アルト・ラプソディ」も聴くことができる
第3番 ケンペ/ベルリンフィル AA5082  
第4番 ミュンシュ/ボストン響 RGC1044 さすがに老練というところで、この大曲を一気にきかせてしまう
ブ ル ッ ク ナ ー
第4番「ロマンティック」 ベーム/ザクセン国立管 EAB5001 この曲の神秘性やロマン性をよく生かしていて、重厚で深みのある音楽になっている。オーケストラの音色にも19世紀的な古めかしさがある。モノーラルだが、千円盤での掘り出し物
第8番 ムラヴィンスキー/レニングラードフィル MK1030〜1 ドイツ的な詩情とは少々離れているものの、悠容としていてスケールが大きく、しかも立派なまとまりをみせている。少なくとも指揮者と作曲家が異質だという感じは抱かせない
第9番 ベイヌム/コンセルトヘボウ管 FCM34 かなり以前の録音のもの。気負った演奏ではあるが、水準の低いものではない。ベイヌムがブルックナーを得意としていたことがリズムの処理や音の整理などの面でうかがえる
マ ー ラ ー
第1番「巨人」 ワルター/ニューヨークフィル SOCF125 マーラーのひとつの典型ともされていたもので、本当に心酔的な演奏になっていて、ときには官能的でさえもある
バルビローリ/ハルレ管 UDL3079 なかなかの好演で、よく歌っているが、オーケストラが弱体なのが惜しい
第4番 ホレンシュタイン/ロンドンフィル AA5054 日本ではそれほど注目されていたわけではないが、やはりマーラーの権威といわれた指揮者で、美感をたっぷりとくりひろげてゆく。プライスの歌も豊かな表情をもっている
第5番 ワルター/ニューヨークフィル SOCF127〜8 根本的には第1番のものと同じ傾向の演奏。最後の面にはワルターのピアノでハルバンの歌う「若き日の歌」を収め、この点で歴史的な価値のあるレコード
「大地の歌」 ライナー/シカゴ響 RGC1067 耽美的というよりも、かなりあっさりしたもの。さすがにフォレスター(A)はマーラー歌手としての貫禄をみせている
チ ャ イ コ フ ス キ ー
第4番 ムラヴィンスキー/レニングラードフィル MK1018 グラモフォンのステレオ盤よりももっと以前の録音で、録音の古さが感じられもするが、さすがにチャイコフスキーの第一人者というべき味がある。ことさらにスラヴ的な感覚を表面に押し出して土臭くしているわけではなく、むしろ都会ふうできびきびしているが、西欧の演奏では求められない味もある。
第5番 MK1019
第6番「悲愴」 MK1020
第4番 モントゥー/ボストン響 RGC1045 老練さをみせた演奏で、きめも細かい。それにクライマックスの設定も見事であり、オーケストラもよく鳴らしている。ただあまりに垢ぬけした感じがないわけでもないし、もっとスラヴ的な体臭が欲しくもある
第5番 クーベリック/ウィーンフィル AA5083 この指揮者のまだ若いころもので、覇気に富み、情熱型の演奏である
第6番「悲愴」 モントゥー/ボストン響 RGC1009  
シルヴェストリ/フィルハーモニア管 AA5007 いま一歩の味が欲しくもあるが、大胆な表現をとっている点で、捨てがたいレコード。もっとも、この演奏は抵抗感をおこすことにもなりかねない
ド ヴ ォ ル ザ ー ク
第1番 ノイマン/プラハ響 HR1526 ノイマン盤しかない。引き締まった演奏で、青年ドヴォルザークの意欲を十分に伝える演奏
第2番 ノイマン/プラハ響 HR1527
第7番 バルビローリ/ハルレ管 UDL3075 唯一の千円盤だが、輪郭をくっきりさせていて、歌の精神を忘れていない
第8番「イギリス」 ターリッヒ/チェコフィル HR1043 ボヘミア的な情感の濃い曲なのでターリッヒを選んだ。やはり他の国の指揮者では、このような表情をなに気なくあたえるというのは難しいことなのだろう
第9番「新世界より」 アンチェル/ウィーン響 FG1 いい演奏だが古い録音。きめ細かに表情をつけ、しかもしっかりした造形感をおく
スメタナの「モルダウ」も収める
ターリッヒ/チェコフィル HR1005 往年の名盤。ボヘミア的な詩情を存分にただよわせているが古い録音
ケンペ/ベルリンフィル AA5002 いかにもドイツ的な演奏という面はあるが、構成感をはっきりさせている。とくにケンペのものは、表現にも前向きの姿勢があり、新鮮味をだしていた
コンヴィチュニー/バンベルグ響 MS1128
シ ベ リ ウ ス
第1番 バルビローリ/ハルレ管 UDL3069 北欧的な抒情をたっぷりおいているし、また歌わせながらも造形性を重んじている
第2番 クレツキ/フィルハーモニア管 AA5031 実は特に傑出したものというほどではないが、他にいい千円盤がないのでやむをえない。しかし、壮大さと抒情性を失わず、いじくり廻していないので抵抗感をおこさせない
第5番 バルビローリ/ハルレ管 UDL3070  
シ ョ ス タ コ ー ヴ ィ チ
第5番 ムラヴィンスキー/レニングラードフィル MK1022 モノーラルでかなり録音の古いものもあるがショスタコーヴィチとムラヴィンスキーの密接な結びつきを考えた場合、他の指揮者は第二次的になる。ショスタコーヴィッチの好むリズムのパターンをはっきりさせていて、しかも暖かみをおいている。第5番などは素朴な迫力を持った名演というべきだ
由緒ある「森の歌」の録音も見逃すべきではない(MK1023)
第6番 MK1023
第7番 MK1024〜5
第10番 MK1026
第11番 MK1027
第5番 シルヴェストリ/ウィーンフィル AA5062 もっといい音質でききたい人にすすめたい
ストコフスキー/ニューヨークスタジアム響 MS1029 音のひびきがあまりにも独特である
プ ロ コ フ ィ エ フ
第1番「古典交響曲」 チェリビダッケ/ベルリンフィル EAB5002 かつてベルリンフィルの常任指揮者として名をあげたチェリビダッケが折り目正しくきちんとまとめあげている。リズムが安定しているのも特徴
ボーリス(Vn)によるメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲と組合せ
第5番 シッパーズ/フィルハーモニア管 AA5084 量感を打ち出していて、しばしばドラマティックでさえもある。この千円盤ならば、まずもうけものというところ
フランスの作曲家たち
幻想交響曲(ベルリオーズ) クリュイタンス/フィルハーモニア管 AA5009 きわめて正統派的なものでありながら、冷たさがない。それにバランスの整理をみせる
交響曲ニ短調(フランク) ミュンシュ/ボストン響 RGC1042 さすがに手なれたもので、味もよく設計もよい
交響曲第3番(サン=サーンス) パレー/デトロイト響 FCM29 ダイナミックなのが特色。フランス的なきめの細かさはいくらか乏しい。オーケストラのせいだろう
交響曲変ロ長調(ショーゾン)
交響曲第1番(ビゼー) クリュイタンス/フランス国立放送管 EAB5017 モノーラル
「アルルの女 第1・2組曲」とカップリング
マルティノン/シカゴ響 RGC1087 ステレオ。 洗練されてはいるが、この指揮者特有のふし廻しをみせる
メンデルスゾーン「真夏の夜の夢」の音楽と組み合わせ
交響曲第3番(サン=サーンス) クリュイタンス/パリ音楽院管 EAB5005 モノーラル
交響曲ニ短調(フランク) クリュイタンス/フランス国立放送管
               
ハイドン モーツァルト ベートーヴェン シューベルト メンデルスゾーン シューマン ブラームス ブルックナー
マーラー チャイコフスキー ドヴォルザーク シベリウス ショスタコーヴィッチ プロコフィエフ フランスの作曲家たち